友達家族~親が子供になる~ 第六夜

前話: 友達家族~親が子供になる~ 第五夜 
次話: 友達家族~親が子供になる~ 第七夜

心は体に影響する

私は昔からコツコツと働くことは好きなんです。

学生時代はたくさんの種類のバイトをしました。
工場などで物を作ったり、ガラス清掃などコツコツと同じことを繰り返すのも苦になりません。
接客業も好きでウエイトレスや販売員など人に喜んでもらえることがとっても嬉しかったんです。

昔は祖母の家がお店をしてたので、私も店番などして接客するのが好きでした♪
ドアが開く音がすると飛んでいくくらい、道端であっても遠くから名前を呼んじゃう位、お客さんや人をもてなしたり、喜ばせたりするのが好きだったようで、元気と笑顔が私の取柄でした。

だけどすっかり人間嫌いになっていた私が、昔と同じ様に接客業に戻って仕事をしても中々上手くいきません。

その当時の私はすっかり心を閉ざしてしまい、自分の友達とも連絡取らなくなってたのに、全く知らない他人に心からの笑顔が向けられる訳がないんです。

今ならそう思えますが、その頃はそんな事には全く気付かずにただただ与えられた仕事をこなす為に商品を売っていました。

こんな状態じゃ誰だって私から商品を買おうとしませんよね…
だから案の定なかなか買ってもらえずにいろんな失敗をしながら試行錯誤していました。

それなのに、ここは私とは合わないんじゃないか…
そう思ってはやめて、別の仕事を探してもやっぱり目に付くのは接客業
少しずつ自分自身の合う仕事を見つけて自信を取り戻していこうとしていました。

そんな風に自分に必死だったから、子供たちのことにはなかなか目が行き届いていませんでした。

この頃、子供たちはまだ保育園時代
子供たちは勝手に2人で遊ぶように言って、私はいつも仕事のことやこれからの自分のこと、自分が成長していくためのことばかり考えていました。

だからこの頃は余り子供たちの記憶がないほどです。

夜、布団を2人で寝かせ始めたのもこの頃

「ママは一緒に寝ないの?」

そう言って寂しそうにしてたのに、無理やり2人で寝かしてました。

まだまだ本当は甘えたい時期だったのに、今思えば可哀想なことをしました。
それでも2人で寄り添い、先に死んでしまう親の私としては、ひとりで生きられるように早く育てたくっちゃと必死だった気がします。

だからこそ、仕事もちゃんと身に着けて、もっと稼ぎたい!もっと出来るようになりたい!
そういった思いが強かったような気がします。

だけど自分の心をだまそうとしていた私は自分の体に悩まされることになります。

それは病気です。
自分が思うように体が動けなくなってしまったんです。

続きのストーリーはこちら!

友達家族~親が子供になる~ 第七夜

著者の月見里 悠季さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。