交際期間1年以上でアラフォーを振ってしまう年下男たち

前話: インスタグラムを武器にしてぽっちゃり女性が婚活半年で結婚を決めたお話。
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ふんふんふーんと、結婚についての国の統計を調べていたら、衝撃的なことが発覚した。

2010年のデータだが、交際してから結婚するまでの平均期間はなんと約4年半なのである。


例えば今24歳の子が交際を始めたら、結婚するのが、28歳か29歳となる。あれ、24歳でも平均で30歳手前の滑り込みセーフになる。でも、これはあくまで平均だから、24歳から付き合って30歳を超える子も結構いるのではないだろうか。


うっわー、すごい数字だなと思った私は現在38歳。

今から付き合い始めるとしたら…平均で42歳か43歳で結婚ということになる。この4,5年は子どもが出来るかどうかのぎりぎりのラインだ。24歳で交際を始めるのとはぜんぜん違う重要な意味を持つ。た・ら・り・・・。


ちなみに、うちの結婚相談所の場合ではあるが、交際から結婚までの期間はだいたい平均で8ヶ月。およそ8割以上は1年以内に結婚をする。

結婚相談所のお見合いは、恋愛に比べると結婚までのスピードがまるで新幹線のようだ。


そんなことを知ってか知らないでか、37歳ぐらいから40歳までの女性が恋人と別れたばかりで結婚相談所に入会をしてくるケースは後をたたない。


そして、この元カレがクセモノだ。ほとんどが年下なのである。3歳から5歳ぐらいの歳の差だ。

ほとんどの女性が破局時に、涙なしでは語れない理不尽さを経験している。


40歳手前の女性が目頭をハンカチでおさえながら口を開いた。

お客様
5歳年下の彼と1年以上付き合っていたんですよね。いつになったら結婚って言ってくれるのかなって待っていたんですよ。でも、一向にそういう気配がなくて。私は子どもが欲しいからだんだん焦ってきたんです。
わかりますよ。私も40手前ですからね。もう一生自分で子どもを産むことがないのかなぁって思うことがあるんですよね。
お客様
大西さんは、結婚しているからいいじゃないですか。


よ、よくないぞ。

でも、今はそういう話をしたいわけではないから言い返さずに黙って聞く。


私は結婚の申し込みをしてくれない彼に苛立って辛く当たり始めたんです。ささいなことで嫌味を言ったり、すねてみたり。
えー。なんだか悪い方に向かっている感じですよね。
そうなんですよね。だからここにいるんですけど。彼は私の行為をヒステリーだと思ったみたいでした。それで、『もう別れよう。なんだか空気が重くて安らがないし』って言われちゃったんです———わーーーーん!!

ああ、やっぱり大泣きしてしまった。まだ傷が癒えてないんだなぁ。

彼女は続けた。

納得が行かないと思って、私は別れる前に結婚とか考えたことがなかったか聞いたんですよ。
別れるときにですか?!
そうです。そうしたら、『俺も子どもが欲しいから、どうしようかなぁって思っていたんだよね。ずるずる引っ張ってごめん』って彼が・・・わーーーーん!!!
ご、ごめんなさい。辛い話を思い出させてしまって!!!


子どもを強く望んでいる女性は、交際相手が希望の星なのだ。その星がいきなり流れ星のごとく消えてしまうと、ただの別れではなくなる。それは期待をしていたまだ見ぬ子どもとの別れを意味するのだ。


私は、彼女の肩をなでた。

でも、1年で気がついてよかったじゃないですか。もしこれが3年、4年ってなったら、本当に出産の可能性が大変なことになりますからね。だから、早めに別れたことは正しい判断だったんですよ。
別れたって言うより、振られたんですけど。チーーーン(鼻をかむ音)


彼女に、恋愛結婚の場合は交際から4年半が平均でかかる話を丁寧にした。これは、入会を促すためではない。本気で子どもを考えているならば、絶対に知っておかなければならない知識だ。

平均が4年半だからといって、必ず4年半がかかるわけではありません。しかし、この数字からわかるように、2年や3年はかかる可能性がかなり高くなりそうです。
2年や3年っていうと、40歳を軽く超えてしまいますね。そうなると、子どもが授かりにくくなるかもしれませんね。
うちの結婚相談所でも40歳を過ぎて産む人はたくさんいますし、現在は4人に1人が40代で初産をします。それでもほとんどが30代までに初産をしますよね。

 だから、平均で交際8ヶ月で結婚に至るお見合いのほうが、出産の可能性については有利とも言えますね。



そんな話をしている最中に、彼女は何か思い出したように、またわーっと泣きだした。

私、本当に彼のことが大好きだったんです。でも、私と別れた後なんと10歳ぐらい年下の彼女が出来てすぐに結婚していったんです。
うわ・・・


もうかける言葉が見当たらない。ああ、次の展開が怖い。

それで、すぐに子どもを授かったそうです。


ああ、やっぱり!!!!

子どもがこれだけ欲しい彼女になんという試練なんだろうか。


実は、もっと残酷な年下男の話もある。

彼女は、40代前半のアラフォーだ。


私の誕生日の日に、7歳年下の彼がレストランを予約してくれました。付き合ってもうそろそろ2年になりますが、予約をしてくれたのは初めてでした。

私は、『これはプロポーズだ』と思って、ワクワクして行きました。

ところが、なんか変な沈黙があるんですよね。私だけ上機嫌で、彼が上の空っていう感じで。

『あら、プロポーズだから緊張をしているのかな?』と思ってなんだか微妙な空気だけれどもスルーをしていたんですよ。

 でも、いつまでたっても指輪なんて出てこないし、笑顔もない。

最後にデザートが出てきた時、彼が突然言ったんです。

『俺と別れて下さい』って!!!!

なんと、あとでわかったことなんですけれども、私の誕生日なんてすっかり忘れていたんですよっ。


た、誕生日を忘れていた!!!!

彼女に最後まで精神的に甘えていたから、こんな無神経なことをするのだろう。


彼女は続けた。

私は、『どうして?!』と叫んじゃいました。周りの人達がこっちを見ていましたが、もうかまっている余裕もありません。

 そうしたら、彼が『子どもが欲しくなったんだ』と言いました。体から体温が消えてなくなるみたいでした。ずーっとずーっと私は子どもが欲しかったのですから。


彼は、年上の女性と付き合うのはいいけれども、結婚となると出産のリスクのない女を選びたいと最初から思っていたということなのだ。


恋愛は年上の女性。結婚するなら子どもを産んでくれる年下の女性。

年下男のやっかいなこのライフスタイルに、私たちアラフォーは地獄の振り回され方をする。こじらせている間に出産リミットが迫ってくるのだ。


しかし、年下の男性と結婚していくアラフォーも少なからず私の結婚相談所にもいる。もう3年ぐらい前になるが、「年下男性と結婚するために必要なこと」をテーマにして女子会を開いたことがある。

私も、全然自分が経験をしたことがないので、興味津々だった。


実際に30代後半の年下男性と結婚をした当時40代前半の女性を招待して、参加者たちの前でインタビューをした。場所は会議室の一室。

年下男性と結婚するに至るまでに工夫したこととかありますか?


私がたずねると、6人ぐらいの女性たちが、前のめりになった。

年下をゲットした40代女性
そうですね、ありますね。
ぜひ、その秘訣を教えてくれませんか?
年下をゲットした40代女性
とてもシンプルなんです。ずばり、半年を節目にすることです。
節目って?
年下をゲットした40代女性
私と結婚したいって考えているかどうかを聞くんです。
えっ、それってプロポーズじゃないんですか?
年下をゲットした40代女性
いえ、決してプロポーズではないんですよね。何が違うのかというと、ただ聞いているだけということです。その時の彼の表情を真剣に見ることです。


ええっ!?そんなドストレートに行くの?!

あまりの正攻法に私たちはどよめいた。

その時に、ごまかしたり、はぐらかしたらアウトです。もうお別れですね。
でも、そんなに早く結論を出していいんですか?
私たちはアラフォーだから早く結論を出さないと出産に間に合わなくなります。それを彼も知っているはずです。それなのにごまかすということは、私の人生に責任を取ろうとしていないって言うことなんですよね。結婚と出産を考えるならば、もう付き合うだけ時間が無駄ですよ。


なるほどなぁ。時間の重さを相手が理解しているのに向きあおうとしていないならば、もう別れたほうが正解ということなのね。


それに、年下の男性がアラフォーと結婚するということは、親の猛烈な反対も予想されます。彼の親御さんは、孫を抱けないかもしれないという覚悟が必要になります。それで反対されることも大いにあり得ますし、私も実際に反対をされました。彼は完全に私と自分の親との間で板挟みになります。

まあ、その絵が見えたら年下男は逃げ出したくなるのも無理は無いですよね。


年下男に求められる覚悟と板挟み。アラフォー年上女性との結婚には見えない重圧があるのだ。好きだけれども、重たい。だから別れて、新しい若い女性と軽い気持ちで結婚をしたいと思うのだろう。


めちゃくちゃ悲しい現実だけれども、なくなることがないだろうなぁ。

年下男と結婚するための女子会だったのにずっしり重たい空気になった。


その日は、ぐったりとして家路についた。


ひよこさん
おかえりー。今日はうどんだよー


と19歳年上の夫、ひよこさんがキッチンから顔をだす。

ああ、ひよこさんが年上で良かったよ−。年下男って平気で女を捨てるからすごい不安になるもん。
んー、さっぱりなんのことかわからんけど、俺も時々、将来を考えると君に不安になることがあるよ。
何よ−。


土鍋でつくってくれたうどんをずずずっとすする。

俺が体動かなくなったら、ちゃんと介護してくれるんだろうなぁっ!


どっきーん!!!!!!ゴホゴホ!!!うどんが気管に入る。

しかし、今日学んだことを応用だっ。

もちろんっ!愛してるからね!!

と間髪入れず答えた。

あぶないあぶない、ひよこさんに見切られて捨てられたらかなわんからね。

いやいや、愛してるから最後まで看るよ、本当だよっ!

ああ、年下男を偉そうに言えたもんじゃないわ。トホホ。



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