第八十八章 オランダ人は、背が高い

著者: キョウダイ セブン

第八十八章

「オランダ人は、背が高い」

  平均身長が世界一高いオランダ人の、背が高い理由を

「フランス、ドイツの大国に挟まれて大きな軍人が必要だった」

  と言った人がいた。大きな軍人が必要なため、大きな人どうしが結婚を繰り返したと言うのだ。遺伝子の話だから説得力がある。

  ところで、当塾の理系女子の暴言が目に余るので女子度の残る文系女子に

「理系女子がアホな男子など絶対につきあわないって言ってるけど、B子ちゃんも?」

 と尋ねたら、答えない。やっぱり弁えがある。それで、

「中学校の8割くらいの男子は論外なのかな?」

 と尋ねたら、小さな声で

「・・・・全員・・・・・」

 と言った。驚いてしまった。優秀な彼女たちは、優秀な男子としか結婚しない。そうして、遺伝子に偏りができる。何千年もそういう蓄積があるのだろう。受験指導の場では、明らかな学力差があるのだが、その結果は何千年の蓄積の結果なのだ。

 ちなみに、私は田舎の小さな靴屋の息子で、自分が氏も育ちも優れていると言いたいのではありません。両親は尊敬していますが。現実を知ってもらいたいだけです。

  私くらいの年齢になると(50代)たいていの講師は疲れてくたびれ果てる。大学を卒業したての頃は

「全ての生徒を立派に教える」

 とか、学園ドラマの熱血教師のように落ちこぼれ軍団を救うイメージを抱く教師も多い。しかし、50代になると無力感が漂いはじめる。なぜか。それは、自分が指導した生徒が成人していくから。

「結局、『学校のクズ』と呼ばれたアイツは、今は『社会のカス』になった」

 と思い知る。感動的なドラマなど映画かテレビの中だけであることを痛感する。つまり、教育の力などほとんど無力であることを思い知るのだ。もちろん、どんなことにも例外はあるが、何千年の蓄積はそれだけ重く一人の先生の力など無に等しい。

  アホとはつきあわないという優秀な女子の気持ちを変えることなど出来ないではないか。学力の高い女子が、出世しそうな賢い男子と結婚したがる大きな流れはどの国でもいつの時代も変わらない。そんな流れを学校や教師に変えられるはずがない。

  刑務所のような学校より厳しいところで長期間「矯正」しても再犯率は4割とか。悪い人間は悪いので、身を守らなくてはならない。同情して殺されたら、たまらない。世界中にテロが広がり、難民に同情していたら自分や家族の命が危ないことを思い知ったことだろう。

  誰だって困った人は助けてあげたい。でも、それはリスクを伴う。受験指導で言うと、落ちこぼれていたら助けてあげたい。しかし、それはマジメな子を見捨てるリスクを伴う。

  マジメな子だって落ちこぼれている子が真剣なら手を差し伸べる。ところが、そういう子はたいてい素行不良なのだ。勉強そっちのけでサッカーばかりやり、授業中は私語ばかりで、話すことはエロ話ばかり。これでは、心の中で

「あの子は、迷惑をかけるだけ生き物」

 と思われるのも当たり前。それを、教師が強制的に机を並べさせて

「教えあおうね」

 ときれいごとを言うから

「ふざけんじゃねぇ!」

 となる。寝言は寝てから言え!

 

著者のキョウダイ セブンさんに人生相談を申込む