12 日本語小論文:望みがでかい
ポルトガルで生まれ育ち日本の大学受験をめざしたのは、恐らくもいける
娘が初めてではないかと思います。
資料があまりないのには困りました。ネット検索もできないわけではあり
ませんでしたが、一校一校のウェブサイトを訪問して細かい資料を読ま
なければなりません。
ケーオーをめざそう!とは親子で言うものの、いざ受験するとなると色々
な大学の情報集めが必要です。 情報を集めてプリントし、それを全部読
むのに労力が要りました。
何しろ、母親は日本を離れて当時は25年ほど、日本の社会事情にはす
っかり疎くなっており、大学入試に関する相談所もありませんでしたから。
土曜日の補習校にあった「帰国子女のための学校便覧」には全国の小
学校から 大学までの 大まかな情報が載っており、目安にするのに
役立ちました。
大学の帰国子女入試要項を読むにつけ、どの大学も日本語小論文、
英語小論文が受験科目として義務付けられているのを知りました。
英語小論文ならまだしも、日本語小論文!!!
課題は勿論試験当日まで秘せられており、まさに日本語英語の実力
が問われる ということです。 ぶっつけ本番の小論文を書けとなると
大人でもびびります。
もいける娘の作文はと言うと、週に一回の補習校では、文集に載せる
ためと朗読発表会のための、年に 2回ほどしか書かされません。
小論文の指導までは、おっかさん、できませんです。
補習校宛てに案内書として毎年送付されて来て、誰も見向きもせず
ロッカーに 放り込まれたままの「代々木ゼミナール」の案内書を手
にとったのはわたしが初めてです。家にもって帰り読んでみました。
小論文通信教育「ベイシック、スタンダード、ハイレベル」とあり、三
段階に 分かれています。各コースが8回、もしくは研究編4回、完
成編4回の 3レベルがあります。 う~~ん・・・
安くないぞ。4回で\20,000、8回の通しだと\40,000!これは当時の
ポルトガルの物価で行きますと、4万と8万です。
待ってくれ、考えないとないと、と即決はしませんでした。
なれど娘が受験に臨むためにこれは必須だと判断しました。本人
が自分の力を知るためにも、これは受講した方がいい。ここで金を
惜しんではならない!
もいける娘に「小論文通信教育、受けるべしと思う」と、母。
「うん。わたしもそう思ってた。自分の小さい時からの積み立て貯金
から払う!」と、もいける娘が言います。
そうね。それはいいことです。身銭を切ると真剣さが違う。
ポルトガルでは小額ですが、18歳の成人になるまで毎月児童手当
が給付されます。 チリも積もれば山となる。わたしたちはこれを積み
立てて、子供たちが18歳になった暁には、自由に使っていいと彼ら
に話していました。
そこで、代ゼミの8回の小論文通信教育を受けることにしました。
「どうせ受けるならハイレベル! 」という彼女を
「待て待てぃ!いくらなんでもそれはハチャメチャです。」
「じゃ、スタンダードの完成編で!」 と相成りました。
望みがデカイのはいいんだけど、知らんぞ、ついていけなくても!
もいけるのくだらない話
英語のテストで初めて20点満点取れた人、ここにあり。
でも、母ちゃん、「あんた BritishSchool行ってたんだから当たり
まえ。 それかテストが簡単すぎたんじゃないの?」と返され、
あぁ、哀しきかな。
隣の席の(いちいち隣の席のヤツってめんどくさいですね。
Tiago(ティアーゴ)だから「てっちゃん」とでも呼びましょう。
てっちゃんは最近遊びまくっているせいか、バイオロジーどころか
他の成績も さがっているそうで。(あー、わたしも人のこと言えな
いか)
2回目の英語のテストが返ってくる寸前、彼はいった・・
「おい、絶対 おれとお前の成績足しても 20(満点)になんねーぞ」
要するに、わたしが20をとって 自分は 0をとるとでも?フッフッフ。
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