16 志望校決定!燃えよ、ドラゴン!

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「一校の受験料が35000円?3500円の間違いではないのかい?」

日本の受験事情を知らない夫の第一声である。
受験料で既にこんな風に驚いてもらっては、後々する手はずになって
いる「入学金」とやらの説明がしにくいのよ、あなた・・・
心臓によくないことは、少しずつ小出しにしないと。

この頃は、合格した後の算段を極力頭から追い払うように努力いたし
ました。それら全てをソロバンではじき出したら、恐ろしい額になるのは
分かりきっていたし、吉本氏の「タダで大学を卒業させる法」本で、ある
程度の情報は得ていた。この部分だけは何度読み返しても数字の桁に
間違いはない。それどころか、もっと上がっているのが当然と思われる。

「問題をたくさん抱えている時は、まず一つから手をつけてみる。そして、
懸命な姿勢で取り組んでいると、必ずや道は拓けるものである。」
これはわたしが自分の人生で学んだことだ。
まだ入ってもいない大学の入学金など心配しても仕方あるまい。
それはとりあえず置いといて、まず受験校をもう少し見てみようとなった。

帰国子女の受験は私立大学が8月である。
国立大学は、出願期間が11月から1月に集中、受験は1月2月となり、
こちらは日本の一般受験生と時期をほぼ同じくする。

もいける娘、目指すはKOであるからして、おのずと受験大学区域は関
東にしぼられる。KO、W大学、S大学受験など、もいける娘よ、今こそ
正直言うのだが、おっかさんからすると、まるで嘘のような話であったの
よ。KOW大学、S大学なと、日本に住んでいたら、簡単に志望校だと
口に出せるものではありません。

もいちゃん、日本に住んでいたら、ビビッていたかもしれないです。でも、
知らないでデカイ夢を持つのは、それはそれでいいことです。夢の実現は
なんと言ったって「見ること」から第一歩が始まるのだ!行けーー!と、
こんな具合で「嘘のような話」と思いながらも黙って応援していました。

35000円の受験料を念頭に、本当は一本一筋に絞れたらと思ったもが、
KO合格など海のものとも山のものとも分からず。そこで、うんと頑張って、

1.できれば2校、どんなに多くても3校のみ。
1.滑り止めなし。よって、8月に私大に合格したとしても、2月に国立をも
  受けてみたい、というのは、できません。困ります。滑り止めに入学金
  を払ってドブに捨てるようなことはゆるしません)
1.私大2校受けたけれどもどっちも落っこった。すると、最後の国立1校
  受験が残っています。最後のチャンスが残されています。

もいける娘はこれに同意し、志望校はKO、W大学と、げに恐ろしき決定
ではあったしかし、おっかさんは、燃えて武者震いですぞ!
親が燃えてどうするのだ?あははは。それもそうですが、ついつい我が
事のように、ぐわぁっと体中に力がみなぎったものでした。

ついでに言ってしまえば、何を隠そう、わたしは大学進学を夢見たものの、
若き日には受験にまでさえも、辿りつくことが叶わないのでした。 

                  

もいけるのどうでもいい話       
 

仕事の都合で友達の父がモロッコにいる。
その友達が春休み中にモロッコへ行き、わたしに土産を持って
きてくれた。

バラの花でできたrose waterという化粧水と、かの大地のドロの
カタマリを、細かく砕いたもので、洗顔用。パックに使えるらしい。
自然から作られたものなので 肌にいいとか。試してみたら、その
通りだった。乾燥している肌に潤いを与えるそうな。お、これはいい、
と思った。しかし、昨日それに絡んでとんでもない事件が起きたのだ。

「明日から学校なんで」と久しぶりに早めに寝ようとベッドにもぐりこみ
明かりを消したのだが、まだ眠りに入ってはいなかった。
すると、ドアの向こうに人の気配が・・
ドアはゆっくり音を立てずに開いた。 そして、わたしは見たのだ・・
忍び足で(しかも怪しい動きをしている)侵入してきた得体の知れない
ものを・・・!
 
慎重にあるものを両手で抱えて、部屋を去ろうとしたその瞬間、わたし
は言った。「*ギン*」。たち去ろうとしていたた後姿はビクッと反応する。
 「化粧水どろぼーー」

その後姿の正体は母ちゃんだった。

★母のコメント:こんなこと、バラさんでよろし。

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16 日本語小論文、なんとかしないと!

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