慶應卒エリート女子?堕ちるところまで堕ちて全てが崩壊した女の話 ―1―

著者: Rion Sakurai

はじめに言っておきます

これから始まる話は、ある一人のろくでなしなだめ女の話です。

あまり考えず、その時書きたいことを、思いつくままに少しずつ書いていきます。


こんなに人生順風満帆でいいのかな?幸せすぎてこわい!

そんな風に考えていた大学4年の頃


慶應生だった私

氷河期と言われていた時代、特に苦労もせずにとってもフィーリングの合う銀行に内定が決まり、

彼氏はすごく優しくまめで、なおかつ育ちも良い文句の付けようのない人


これ以上の幸せなんてあるのかな?そのうち壊れちゃうのかな?


卒業旅行も兼ねてカナダやアメリカの数か所を3か月以上もぷらぷら旅行をしながら、いつもそんな風に思ってた

ほんとに人生が順風満帆だった

ほんとにあの頃が一番よかった



―やってきたその瞬間―


あぁ、終わった・・・


その時は、意外にも冷静だった

ついに来ちゃった、そう思いながらも、その事実をちゃんと受け止めようとしていた


とある日の夕方頃、インターホンのチャイムが鳴った

薬を飲んで寝ていた私

オートロックのマンションなのに、勝手にエントランスの扉が開いて人が入ってくる様子がモニターに映っている


もう理解していた

ここ何日か恐れていたその事態が起こってしまったことを


ガタガタガタガタ


玄関の鍵が開いているか確かめている音がする

それから今度は部屋のインターホンが鳴った

もうどうしようもない、諦めと決意の気持ちを抱きながら玄関の扉を開ける

そこには不動産屋の人が立っていた


そしてその後ろにいる、何人かの刑事


そのうちの一人が、逮捕状と家宅捜索の令状を見せながら読み上げる

容疑は恐喝未遂

内容の認否を問われ、否定する私

時刻を読み上げられ、家宅捜索が始まる


1Kの広くもない部屋に入ってくる4人ほどの刑事

物で溢れ返る部屋で、借金の証拠となる資料の写真を撮っていた

それと、携帯2台の押収


それから、ろくに服を着ていない私に着替えるように言い、女の若い警官だけ部屋の中に残り、それ以外の3人は外に出る


本当に、その時が来てしまうと、意外と冷静なものだった

というよりも、諦めの方が大きかったのかもしれない


とりあえず外に出られる程度の服に着替えると、家の中の電気類をなるべく切っておくように言われた

荷物の処分委任状にサインをするよう、居づらそうにしながら書類を渡してくる不動産屋

そう、ちょうど10日ほど後に退去する予定だった

だから、代わりに両親が荷物を片づけられるよう委任状が欲しい、と


「え、10日後ですよね?私そんなに出て来られないんですか?」

「それは、今はまだなんとも言えないから」


出て来られないんだ、そう理解した

多すぎる服や物で溢れ返るこの部屋

逮捕された、そう伝わるだけでも心苦しいのに、この荷物をまとめ、引越しまで両親にさせなければいけないことがすごく申し訳なく感じられた


女の警官に上着の背中をつかまれ、エレベーターに乗ってエントランスへと向かう

人目もあるし、しなくても大丈夫だね?、そう念を押され、その時はまだ手錠はされなかった

エントランスのすぐ外に停まっている1台のバン

その一番後ろの奥の席に座らされた

そしてついにかけられるロープの繋がった手錠


この時かもしれない

自分が逮捕されたことをはっきりと自覚したのは


署へ向かう車中、弁護士をつけるか尋ねられ、知り合いの弁護士の名を告げる

その弁護士には、既に何があったのか、話をしてあった

それから、連絡をする先として、実家の電話番号

その電話を受けたときの母の気持ちを想像すると本当にいたたまれなかった


なんでこんなことになってしまったんだろう!


反省や後悔、私の中で色んな感情が渦巻いていた



大学を卒業して4年、この日までに、何があったんだっけ・・・






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