これが、オペレッタ「狂乱のモンテカルロ」の中のヒット曲だと知ったのはずっと後年です。昭和8年製作とありますから、遠当然わたしは、まだまだこの世に生を受けておりません。しかし、これはわが先輩歌姫こと宝木嬢の持ち歌の中でも、わたしが好きな一曲なのです。
仮想の王国ポンテネロの巡洋艦長、のんびりと魚つりを楽しんでいるところへ、女王陛下の地中海遊覧の命令が入ります。そんな窮屈なお役はご免とばかりに、艦長はモンテカルロへ向けて出発してしまう。
女王は艦長を懲らしめるべく、先回りして妖艶な仇し女に変装、その女王にまんまと引っかかり、二人は艦長室で一夜を明かすのである。
翌朝、パリッと女王陛下の制服で現れたのを見て艦長は仰天、巡洋艦からざんぶと海中にとびこみ、ハワイに向けて出向する外国船に乗るのだが、女王さまも負けじと命令一下、巡洋艦をハワイに向けて追跡させるのである。
「世界映画名作全史戦前編」引用
モンテカルロの一夜」「夜のタンゴ」が歌われると、必ず踊り出す、常連の中でもひときわ目立つカップルでした。I氏ももう故人です。
それぞれ強い個性を持つ 常連が多い、愉快な大人の集いのビアハウスでした。
モンテカルロはカジノとF1レースの国である。 1980年代にわたしは家族と一週間ほど滞在したことがある。ホテルはモナコ王室も利用し、F1レースが催されるときは、部屋のバルコニーから、いながらにして観戦できるというところだ。
しかし、それよりもモンテカルロでの忘れられない思い出は、そこで野外に大きなテントを張ったドイツのビアホールがあったことである!もちろんドイツからビアソング楽団が来て演奏しており、わたしは夫を説得して引っ張って行った。
バイトとは言え、ビアハウスで歌っていながら本場のビアソングを聴いたことなし、本場のビアハウスを見たことなしのわたしだったのである。
初めて体験した本場のビアソング楽団!見知らぬ隣席の、どこの国の人とも知れぬ人たちと、テーブルをたたき肩組んで、楽団のビアソングに、そしてビールに酔いしれたわたしたちの「モンテカルロの一夜」だった。
タンゴ「モンテカルロの夜」


