山になる前に

著者: 鎌田 隆寛

「渋谷駅で男が銃を乱射している。男は笑っていた。」

2013年7月8日夕方、物騒なつぶやきがTwitter上を駆け巡った。

本当であれば、「オウム」や「秋葉原通り魔」に匹敵する大事件だが、幸いデマだった。

「渋谷で銃を持ったおっさんがいた。」→「渋谷でおっさんが銃を発砲してるけど本物かビー玉か」→「男が銃を乱射」

上記のように、情報が伝播する際僅かずつ内容が「盛られ」、最終的に事実と大きく解離するデマが出来上がったようだ。

一方、行楽のシーズンのあまりありがたくない副産物、「渋滞」。

工事、事故、合流など原因は幾つかあるが、半数以上は「サグ渋滞」と呼ばれるものだそうだ。

「サグ」とは下り坂から登り坂にさしかかる所であり、気付かないうちに速度が低下する。

速度が低下したある車の後続車がブレーキを踏み、さらにその後続車が少し早めに、もしくは少し強めにブレーキを踏む。

この僅か数秒程度の反応の差が蓄積し、数時間の大渋滞を形成する。

「盛り」と「反応の違い」の伝言ゲーム。塵も積もればなんとやらは、改めて言い得て妙。

塵、なめたらあかん。山になる前に処理したい。

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