あの頃、ビアハウス:グッドチーフ・バッドチーフ(1)
アサヒ・ビア・ハウスでは通算6年ほども歌っていたことになろう。
それはわたしの本職ではない。エピソード1にもあるように、わたしはそこに出入りして常連になり、ある日、そこの名物歌姫である宝木嬢と店長にスカウトされたのである。
日中は東京に本社を持つ、堂島のオフィスで9時から5時まできちんと仕事していたのであります。
オフィスは所長を筆頭に、営業マンが9人、顧問兼翻訳仕事のB 紳士。
お湯のみ茶碗にいつもお酒が入ってる経理のおっちゃん。アル中でした。
ですから、おっちゃんの帳簿の字を見ると、通常の数字とちがってそれが微妙に波打っているのでありました。それに、事務関係処理のわたしと大阪生まれのわたしの同僚である女子が二人と言う、スタッフである。
オフィスはこじんまりとしていて、みな会社の同僚と言うより仲間のような雰囲気で、仕事だけに限らす、会社が退けた後も皆でよく連れ立っては飲みに遊びに出かけ、このアサヒビアハウス梅田に巡りあったというもの。
さてさて、オフィスの話だが、どこにもいい奴わるい奴はいるものだ。
そんな小さなオフィスでも若いチーフが二人おりました。二人とも当時30代のおない年である。ワイワイがやがや、飲む席で皆で騒いで酔いも回ってくると、どうしても出てくる日頃の仕事の愚痴話。
これがある日、前日の愚痴話の内容が、どうもそっくりそのまま所長の耳に
筒抜けになっているらしいことに、わたしたちは気がついた・・・
「おかしいぞ」とあいなり、所長も退社した、とある夕方も夜に移ろうかと言う時刻、その場にいた全員で、まず、隠しマイクが設置されていないかどうか、オフィス中を探し回ったのである。
だれだ?、そんなアホなこと考え付いたのは!あんなちっちゃなとこで、そんなもん、あるわけありません、ホンマに^^;と、後でみなが思ったことではあった。
あれこれ思案した末、我らがたどり着いた結論は・・・二人のチーフのうちの一人が隠密やったのだ・・・
「グッドチーフ・バッドチーフ」はこうして二人の上司に授けられたニックネームであった。 以後、わたしたちはバッドチーフ同席時には、愚痴話は無しにしたのでありまして。
それが「ビアハウス話」になんの関係があるのかって?あるんですよ、これが。(笑)
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