チック女児 ~両親から本気で魔よけ払いを受けさせられた話①~

著者: 長谷川 彩未

人生には不可解なことが時々起こる。


小学生の頃、私になぜあのような事があったのか、その理由は未だにわからない。

何気ない日常を過ごしていた。特にストレスのようなものを自覚してはいなかった。


あるとき、自分の変化に気付いた。

無性に頭を振りたくなるのだ。それを反復的に繰り返す。

いわゆるチックのような感じだ。


それだけではない。

突如、「なっ、なっ」と大きな声をあげたくなる。

人前では我慢するため、独りになるとその欲求がマックスに達する。

両親は部屋で私が一人Shaking!!と雄叫びをあげているのをみて、

本気で戸惑い、夜に緊急会議を開いていた。


そんなことも知らずに私は毎日マイペースにshaking!! Shaking!!、「なっ、なっ!!」、

次第に親しい友達には気づかれ始めていった。


「なんでいつも頭振ってるの?」

「なんで、なっ!なの?」

と聞かれるようになっていった。


頑張って我慢しなければと思えば思うほど、癖になる。

頭を縦に勢いよく振るので、たまに軽いめまいのようなものを感じる時もあったが、

もはや自分では制御不可能だった。


「お前気持ち悪いんだけど・・。」

気づかれた男子にはそう言われ、、、、青春が崩壊していく音が聞こえた。

その反動でまたShaking!! Shaking!!。

ロックンローラーのように頭を振り続ける。千葉県のとある港町で。


しばらくしたら治るのかななんて甘ったれた考えは通用しなかった。

次第にエスカレートしていった。

仕舞いに新しい癖が加わった。


「ガラスを噛む癖」

これには参った。

ガラスを無性に噛みたくなるのだ。

自分も噛みたいわけではない(いや、矛盾している・・)

歯が痒いといったようなこともない。

割ったことも一度や二度ではないが、割らないように満足する程度に噛む、ということに挑戦し、

達成した時に一人喜びを感じていた。


ついに、両親の戸惑いと不安はマックスに達していた。




































































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