『ペ●スノート』:Page 8「哀歌」

1 / 7 ページ

前編: 『ペ●スノート』:Page 7「緊迫」
後編: 『ペ●スノート』:Page 9「怒気」

虹空(にあ)一行は、大きな音のした現場へ向かった。そこには……車に轢かれて無惨な姿となった娘撫(んこぶ)がいた。



虹空は、恐る恐る剣(ないと)に視線を移した。……剣は膝から崩れ落ちて、頭を抱えていた。



「……そんな…………そんな」




剣は、手に顔を覆い、ひたすらボソボソと呟いていた。よく見ると、涙が滴っているようだ。

一行は、より重い空気に包まれた。ヌークも死神も虹空も、ただ黙っているしか術がなかった。



「......僕のせいだ......僕のせいだ......」



剣はただ、泣いていた。妹の死に、涙した。



「......あれは、もう……不可抗力だろ……」



虹空がなんとなくボソっとつぶやいたが、何を言ったところで、剣の状態が変わることはないし、一人の命が消えてしまった事実が変わることはない。

一行は、娘撫の遺体と共に、心的外傷により生気が9割失われた状態にある剣を運び、多田(たた)家に戻ってきた。




死神は、一先ず剣の個室に向かい、剣をベッドの上に座らせた。相変わらず、剣は俯いたままだ。






「・・・・・・調子は・・・・どうだ?」




死神はなけなしの言葉を剣にかけた。しかし、たったそれだけで剣余計な事を言ったがためにかえって剣を傷つけてしまうことも考えられる今は、こうして数少なく無難な言葉をかけることでしかできなかったのである。剣は、依然として沈黙を貫いたままだ。





みんなの読んで良かった!