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16/3/5

全くモテない19歳の女の子がいきなりオーストラリアに行ってそのまま永住し、イケメンと国際結婚して、ライフコーチになった話。第四回 永住への道

Image by Olia Gozha

勝手に家を飛び出して2週間の旅行に出かけた私。


激怒したインドネシア人の彼はなんと私のものを全部捨ててしまっていた。

そしてそれだけではない。

私の車は売られていたのである。


はっきりいってこの彼にはもう全く感情さえ残ってなかったので仕方がないと思ったのだが、彼が一言。

「まだ好きやねん。でもこれもひどいことしてしもた。勝手にお金あげたり、仕事辞めたり、お前のもの勝手にまとめてしまって。。。でも好きやねん。だからお前の永住権が降りるまで一緒に住もう」


確かにあと2カ月で永住権が降りるのである。ここで諦めるのは痛い。


考えてみれば私は別に彼を騙していたわけではない。3年も永住権待ちしていれば感情が冷めることもあるだろう。


というわけで私は彼の有難いオファーを受け、空き部屋にシャアメイトとして住ませてもらう事にした。


私はまたカフェの仕事に戻ることになる。ほとんどすべてを失ってしまった私。本当に一からのスタートである。


ある日仕事に行くと張り紙があり、


「この店は取り押さえられました。本日をもって閉店となります」

と急に仕事を失ってしまう。


物凄く焦る。せっかく今まで頑張ってきたのに。。。。そして私には何にもない。


またまた死に物狂いの仕事探しが始まった。



やっとこじつけたのが空港のラウンジでのお仕事である。


前のお仕事よりとお給料も上がり、夜のシフトは辛かったがそれなりの生活ができるようになっていた。とは言え、私はせっかく大学に行った身である。大学で学んだことを使える仕事がしたかったのだのだが、なかなか日本人を受け入れてくれるところがない。


「日本人だから大学くらいじゃダメなのかも」


というわけで大学院に行くことにした。実際はただのいい訳だったのだと思う。


もう仕事探すのに疲れ果てていたのだ。もう少し学生気分を味わっていたい、、、そうすれば社会に出なくてもいい。そんな甘い考えを持っていたんだろう。


大学曰く「永住権を持ってない人は学費が倍以上になります」

そんなお金あるわけない。どうしようもなくて移民局に電話してみる。



Nori「すいません。あの、学校行きたいんですけど、永住権がないと学費が倍以上するんです。永住権降ろしてくれませんか?」

移民局「そうですか。分かりました。それでは手続しましょう」


そんなんでええんか、移民局?



と2週間後に永住権を手に入れることになったのである。本当にこんなんでいいのかオーストラリア!と思うが有難いもんだ。



永住権を手に入れたわけで私は空港の近くに引っ越すのだが、、、、


ここでもまた悲劇が待っていたのだった。。。。。

「俺、アジア女性に物凄く興味あるんだよね」


そう、またしてもシャアハウスのオーナーに好かれてしまうのである。


アジア専、完全なオタク野郎、背は高いのだが横にもかなり、いや物凄くでかかった。しかもこの人も空港で働いており、暇を見つけては私の仕事場へとやってくる。

そして人の目もはばからず

「今度はどこにデートに行こうか?」



おい!今度は、って一回もデートに行ったことなんかないぞ!


家に帰ってもひたすら彼の趣味の飛行機レーションゲームについて語り続けるのである。一人で


パイロットになり切って


「ただいまシンガポールの上空、霧生は良好。。。」


と専用マイクで機内アナウンスをしている。それが自分でとてもかっこよいと思っているに違いない。


毎日のように私にそれを見るようにと部屋にやってくるのである。


しかも悪夢はこれだけではない。


彼の両親は離婚しているようで、何故か彼の家に勝手に上がり込んできて二人で元夫婦げんかを始めるのである。夫婦げんか、と言えば可愛く聞こえるかもしれないが、実際は一度警察を呼ばなくてはならないくらいの殴り合いにになってしまうほどの過激なやり合いが繰り広げられていた。


私はもうこの生活に疲れ果ててしまっていた。



このストーカー野郎のお蔭で仕事は彼のいない時間のシフトを選ばないといけない。家も彼のいない時間に帰るようにした。結局この家にいたのは1カ月くらいか。

早く引っ越したい。が、引っ越しするには仕事がいる。早くまともな仕事をゲットしなければ。


そんな思いで仕事を探しまくる。この絶望的な思いからか、初めてのオフィスでの仕事をゲットすることになった。


私の初めてのオフィスでの仕事はパーソナルアシスタントで給料はとても悪いもののやっとバイトでなく初めて社員として働くことが出来るのだ!


正社員なので一人で家を借りることが出来る。


前のインドネシア人の彼氏といい、このストーカーデブおたく野郎といい、、、もう家を誰かとシェアすることは無理だと悟る。教訓だと思い、今度はちゃんとしたアパートを一人で借りることにした。


外国でアパートを借りるのは私の中での一つのゴールであった。


しかも海から5分と言うとてもいい立地。新しいアパートは狭かったが私にとってお城のようであった。これで私もやっと自立してまともな生活が送れる!そう思って新しい仕事に出勤するのだが。。。


まさかここで新たな試練が待っていると知らず。。。




新しい仕事はとても小さい会社のパーソナルアシスタントである。社長はイタリア人で36歳。シシリー島からの移民でお母さんと一緒に25歳の時にビジネスを起す。かなりの頑張り屋さんである。



この会社はパーティーケータリングの事業を取り扱っており、お母さんと従業員は美味しい料理を作り、彼は会社経営とケータリングの配達をする。


私の仕事は注文を取り、伝票を作成。そして従業員のお給料を計算し支払う。とても簡単な仕事だ。


大学院の勉強をしながらだったのでこれ位が丁度いい。そうは思うものの、厨房が忙しい時に私も厨房に入って一緒に料理したり配達を手伝ったりと会社のために一生懸命に働いた。


そんな私を社長はとても気に入ってくれた。




が、気に入られ過ぎたようである。


彼のお母さんと他の従業員には


「この子、おれの彼女やねん」


と言いだすようになる。



なんでやねん!

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