金銭問題は慣習か因習か?

開幕前に大騒ぎとなったプロ野球の賭博並びに金銭授受問題ですが、前者はさすがに悪いこととして誰もが首を立てに振ることでしょう。


しかし、後者に関しては意見が分かれているとの話があります。スポーツニッポンのアンケートでは「良くない。悪い慣習である」と「許容できる範囲内」という意見がともに半々となったそうです。


今回は賭博問題という大きな爆弾が破裂したことで、そういった金銭授受問題にまで話が飛び火し、大きく取り上げられることになったというのが正直なところでしょう。


「ミスしたら罰金」「打ったらご祝儀」というような行為は、(想像ですが)どの球団でも昔から行われていたと思います。監督賞というものとは別に、選手間同士でも何かしらはあったはずです。


今回の金銭授受問題発覚にあたりソフトバンクホークスの長谷川選手会長はこんなコメントを出しました。


「これまで当然と思っていたことが、世間からは異常な行為と受け取られることを感じた」

スポーツの世界だからモチベーションアップのためには、こうした「お遊び」も必要だ。そんな考え方もあるでしょう。否定はしません。ただ、健全な普通の会社でこのような行為が日常的に行われていたら社会的にどう映るのだろうかという想像力には欠けているのだろうなと思わざるを得ません。


内容は違えども、政治の世界で「金銭授受」という言葉が出てきたら辞任につながるぐらいインパクトのある言葉ですし。


社会人を経ていないプロ野球選手のほとんどはそれまでの人生が野球漬けです。他に楽しみも少なかったことでしょう。ですから高校や大学の野球において、ジュースを賭けてとかお菓子を賭けてなどといったようなゲーム感覚の練習は日常的なものだったと思うのです。


それがプロ野球という世界に入り、賭ける対象がお金に変わってしまっただけのこと。そうでなければ「これまで当然」などという言葉は間違っても出てこないはずです。


プロ野球は見たこともない大金を手にできる世界です。そしてお金の使い方もろくにわからないままに、車、高級腕時計、アクセサリーなどをやたらと購入し、ほとんど成金趣味のような生活を送りはじめてしまう選手も数少なくないはずです。こうしたことも、世間の金銭感覚とのズレを生む一因になってると考えてよいでしょう。


仕事を離れたところで、誰にも気づかれないように仲間内で「握る」ぐらいのことは、プロ野球選手に限った話ではなく小市民の誰しもあり得ることです。しかし、プロ野球のグラウンドは神聖な「仕事場」であり、ファンが熱い眼差しを送る場所です。少なくともそこで行われる円陣&声出しででというのはやはり失望感を抱かせてしまいます。


起こってしまったことやってしまったことは、取り返しがつきません。ただ、プロ野球における金銭授受は慣習か、それとも因習か。今一度問いなおす良いきっかけになることを心から願って止みません。



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