親に捨てられた子供はどうなるの?8話
中学生のとある日、一本の電話が入りました。
継母が電話をとります。
いつもの甲高い声で。
父宛の電話でした。
「家賃を滞納されております。」
継母は詳細な住所などを聞き、そこまで乗り込んだそうだ。
そう、父は女を住まわせていたのです。
元々、家賃なんて持ち家には関係ありませんのですぐにおかしいと把握できます。
それはもう壮絶な修羅場だったことでしょう。
どんな話をしたのかどうなったかはまた後ほどわかってくるんです。
さそんなこともあり、継母は私たちにさらに辛く当たります。
けれど、そこは反抗期を迎えた私にとって最高の攻撃の場でもあったのです。
理不尽な暴力に耐え忍んだ日々。
覆される日が来るとは思ってもなかったのでしょうか。
このころ、祖父が脳梗塞で倒れ、長期入院をしており、祖母は看病で病院に寝泊まり。
長期休暇の楽しみでもあった祖母の家に泊まりに行くことができなくなったのです。
夏休みに入って、少しはのんびりしたい。誰もが経験あることだと思います。
しかし、朝9時に叩き起こされました。
継母「いつまで寝てるんだ」
仕方なく起き上がり、着替えようとした時、また暴力。
もう意味わからんし。
うぜぇ。何かが切れる音。こんな家いなくてもよくね?
そう、家を出る決心がつきました。
着替えもしていないまま、家を出ます。
外に出ると祖父母の家から預かっていた犬が鎖を外され庭を爽快に歩いていました。
ばばあが離したんだ。
状況だけで判断出来たとは我ながら感心しましたけどね。
一緒に行こうか。
犬を連れて壮大な家出です。
暑い夏の最中に、今は不在な祖父母の家を目指して歩き始めました。
目的地まで徒歩にすると3時間くらいです。
最初は犬も大喜び。首輪の付け根を持ってテクテク歩きました。
1時間経ち、ちょっと腰がしんどいかも。
なにか鎖になるもの落ちてないかな?
途中で梱包用の紐を拾いました。
鎖代わりにちょうど良いかも。
喉も渇いたし、頑張って歩こう。朝9時過ぎからテクテク。
パジャマでひたすらテクテク。
目的地に着くころにはお昼です。さすがにパジャマで犬も連れて歩いてる。
今思えばよく通報されなかったなと。
目的地の祖父母家に着くと問題がありました。
そう、祖父母は留守なので鍵がないのです。
どうやって入ろう。
祖父母の家は昔ながらの家です。玄関を開けると土間があり、目の前にリビングそして台所。
トイレは外で。庭には井戸がありました。
とりあえず、井戸の水を汲み上げ犬に飲ませます。
ゴクゴクすごい勢いで飲んでました。さすがに犬も疲れたんだね。
玄関開かないかな?
ガタガタ揺らしてみたり鍵の構造をみたり。
お?これなら開けれるかも?
どうやって開けたのかは詳細は教えられませんが。
なんとか開けると、やっとくつろげる!
てか、お腹すいたな。なんかあるかな?
長期留守なので水道もガスもとめてありました。
やっぱ無理かな?
仕方ない。畑になにかあるかも!
祖父母の畑が目の前にあったのでそこで食べられるものを収穫。
トマト、キュウリ。
おいしい!
犬にもわけてあげました。
夕方になり薄暗くなってきて、さてどうしようかな。
このまま帰らなければどうなるだろ?
警察に言われるのかな?
とりあえず生きてることだけ伝えなきゃいけないのかな?
でも連絡すると、ばばあが出るんだよな。
めんどくさいな。
と思い、ある手段が頭をよぎりました。
近所の子に電話をし、父親に祖父母の家に電話をしてもらう。
電話だけは停まってなかったのです。
友達に状況を説明。なんとか継母にばれずに父親に電話を入れて欲しいとお願いしました。
少しすると父親から電話が来ました。
「お前何してるんだ。」
今まで散々暴力を振られてたこと、家にはもう帰れないこと怒涛もなく説明したと思います。
父親は黙って聞いていました。
「すまない。おれのせいで苦労かけた。そんなことになってたとは知らなかった。
今から迎えに行く。」
しばらくし、父親が祖父母の家に迎えに来ました。
父親「どうやって入ったんだ?」
私「えっとここをこうしてこうしたら。。。ほら!」
そこから車の中では2人とも無言でした。犬の鼻息だけがやたらと響きました。
家に着き最大の修羅場です。
継母は父親に話しがあると呼び出され、私は車の中で待機。
姉、妹は何が起こったのか目が点状態。
父親「お前何暴力振るってたんだ!」
継母「え?暴力?しつけだけど」
父親「子供らみたいに痛い思いせなわからんのか!」
継母「え?なに?何が?」
ここからはすさまじい殴り合いです。
ボコバコ!うぎゃー!
継母がこちらに駆け寄ります。
継母「ごめんね!ごめん!おかあさんが悪かった!もう一緒死のう」
意味わからんし。なんでそうなる?
私「てめえと一緒になんか死にたないわ!勝手にお前だけ死ね!」
姉は呆然と眺め、妹は嗚咽しながら泣いていました。
どうなるの?どうなっちゃうの?
そしてついに父親が継母に一言。
「荷物まとめて出てけ」
継母「長い間お世話になりました」
そうここまではよくある話。
ここからがまた怒涛の嵐があるんです。
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ここに書いてる話は私が経験した実話です。
人生のほんの一部なのですが、毎日毎日それはもう想像を超えるほどの壮絶な日々でした。
今はやっと話すことが出来ますが、今の世の中、そんなこともあるんだね。と同情もされます。
同情よりね、その時にもっと早く救いの手が欲しかった。心の声をもっと聞いて欲しかった。
幸せってなんですか?
物差しで計れるものですか?
虐待をされた子は将来虐待をする。誰がそんなこと決めたんですか?
こんな経験があったからこそ幸せになってやろう!と決めたんです。
ちなみにみなさんにお伺いします。
あなたの幸せのゴールはどこにあるんですか?
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