うつだっていいじゃない!【其の四・小細胞肺がん】

前編: うつだっていいじゃない!【其の三・寛解?】
後編: うつだっていいじゃない!【其の五・完全看護?】

【ステージ4】


少し自身のうつの話から離れることになるが、これを書いておかないと本題に入れないのである。何卒ご了承いただきたい。


母の病とは「がん」。


母は以前乳がんを患ったことがある。


ただ、その時は無事に摘出手術も済み5年に渡る放射線治療も欠かさず行い完治していた。


しかし、二度目のがんは定期検診を行なっていたにも関わらず発見が遅れた。


乳がんということが前提にあったせいなのか、発症したタイミングが悪かったのか今となっては何とも言えない。


病名は小細胞肺がん。


ただでさえ早期発見が難しいと言われているこの病気。


見つかった時には既にステージ4。


それまで原因不明という診断のまま入院していた病院から循環器呼吸器専門の病院へ転院。


抗がん剤の治療がはじまった。



もっともこの時点では私自身がんに対する知識はほとんどなかった。


それに一度乳がんも完治しているので、ステージ4と宣告されても何とか奇跡的に助かるのではないかという持ち前の楽観主義が前面に出ていた。


そんな精神状態なので、うつになることもなく平日は普通に目一杯仕事、土日で時間がとれれば母の見舞い。


母の付き添いはほぼ父に任せきりだった。


しかし、見舞いに行くたびに母が衰弱していることは伝わってきた。


気丈な母だけに第三者にはパッと見でわからないよう振る舞っているものの、小細胞肺がんの影響で肺に水が溜まってしまうため、体に取り入れる酸素量が不足しとても呼吸が苦しそうだった。


少し前まで酸素ボンベさえあれば普通に歩ける状態だったのだが、徐々にその距離は短くなっていった。


年を越し、春を迎え、数回に渡る抗がん剤治療を全て終えたところで、


「もうこれ以上打つ手はない」


話はそこまで来ていた。



このまま病院でモルヒネを使った緩和ケアという方法もある。


だがホスピスを利用することで最後のひとときを過ごすのもよいのではないか。


父とそんな話をした結果、ホスピス施設を見学に行くことに決めた。



そして見学当日。


施設に向かう電車の中で父の携帯電話が唐突に鳴り出した。


電話の相手は病院ではなく、父の妹からだった。


その電話の内容は…


イラスト/ ©2016 つばめとさくら


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うつだっていいじゃない!【其の五・完全看護?】

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