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16/4/12

【おしゃべりな胎児⑤ 〜ママがやりたいこと、胎児がやりたいこと〜】子宮と胎児が教えてくれたちょっぴり不思議でおもしろい妊娠と出産のおはなし

Image by Olia Gozha




◆第五話◆ ~胎児がやりたいこと、ママがやりたいこと~




胎児(ペルたん)「お金がないって、ウケる(笑)」



妊娠8週~10週ごろのペルたん(胎児)はなんだか女子高生!?のような


楽観的なような


根拠はないのにどこか強引で納得させてしまうかのような



そんな感じのキャラでした。

(私にはそう感じられていました。)




でもそんなペルたんとおしゃべりしていくうちに

ついつい「こうしなきゃいけない」と頑張りすぎてしまう私の心がだんだんとほぐれて軽くなっていくのを感じていました。



どうなるか怖いけれど、ペルたんの言うことを優先させて仕事の量を減らし、罪悪感からの家事は一切やらないと宣言し、安定期前の変化するカラダを休ませることで、ずっと続いていた気持ち悪さはグンっとなくなっていったのです。




-カラダに出てくる症状はやっぱり胎児からのメッセージなのかもしれない-






胎児(ペルたん)「ママ、やっと分かったか〜!」




この頃のペルたんは私が頭では考えてもいないようなことをさらりと言ってのける。

そしてとにかく主張が激しい。

コレと言ったらコレ。嫌と言ったら嫌。


最初はてっきり「ペルたん」という人格自体がそういう性格なのかと思っていたんです。





そんな頃、新しいお仕事の話が舞い込んできました。

これまでお仕事でやってきたことを1冊の本にしないか。という出版のお話でした。


私にとっては以前からやってみたかったことでもあり、とっても嬉しいオファーです。




ですがこの時はまだ安定期前の11週~12週ごろ。

悪阻は軽くなったものの身体はまだダルさがあるような状態でした。



「やってみたい!!!・・・でも、妊娠中にそんな余裕あるかなぁ?」



まだ妊娠初期のしんどい時。

初めての妊娠だったからこそ、この先どうなるかもよく分からず、妊娠中に今までとは違う時間を取ってそんなことできるのか?という不安もありました。



迷いました。




「ねぇ子宮さん、どうしたら良いと思う?」

子宮の声「あんたはどうしたいの?」

「やってみたい。でも・・・」

子宮の声「何に迷ってるの?」

「これからの妊娠生活にもどれくらいのエネルギーが必要かわからないし、執筆ってのもやったことがないし、今じゃないってことなのかなぁ。とか。。」

子宮の声「あんたが今大切にするのはペルたんでしょ?」

「うん。もちろんそうだよ。」

子宮の声「じゃあペルタンに聞いてみなさい。」


ちょっと弱気になる私。


ペルたんだってそれまで「何もしないで!」って言ってたんだから、やめておいたほうがいいのかも・・・


胎児(ペルたん)「・・・ママ?ママはやりたいんでしょ?」

「ペルたん!?・・・うん、やってみたい。」

胎児(ペルたん)「だったらやってみたらいいよ。」




ぉお!?なんだか寛容なお言葉!!


今までの「自分一番」ペルたんとは違うじゃないか!!!




「うん。やりたい!でもペルたん、ペルたんのこともちゃんと大事にしたいんだよ?」

胎児(ペルたん)「そんなのわかってるよ。最近のママはちゃんとペルたんとママのカラダを大事にしてくれてるしね。」

「うん。それに出産前だからこそやりたいんだよ。」

胎児(ペルたん)「知ってるよ。だってママがそうしたいなぁって思ってたから。だからペルたんがそうさせてあげるんだよ。」

「・・・え!?ペルたんが出版の話を引き寄せてくれたってこと!?」

胎児(ペルたん)「これからもちゃんとペルたんのことかまってくれる?」

「うん!それはもちろんだよ!でも時間のこととか、お金のこととか、まだ心配なこともあるんだよね・・・」

胎児(ペルたん)「だったらペルたんができるようにしてあげる。ママがやりたいならやったらいいよ。」



この時のペルたんにはすごく大人な余裕を感じました。



本当にペルたんが出版の話を引き寄せてくれたのかどうかは知る由もありませんが、

いま振り返ってみると

ペルたんの言うとおり仕事量を減らした結果、余裕のある時間ができ、さらには別の新しい企画のお話も頂いたりして

今までよりも少ない実働時間でそれまでと同じか、それ以上の収入が得られるようになっていました。


そのおかげで無事に出版の話を進めることができたと言っても過言ではありません。



まさにペルたんの言葉通り「ママがやりたいことができるように、ペルたんがしてくれた」ように感じたのです。






その他にもこの時期のペルたんはとにかく私のやりたいことを尊重してくれるようになっていました。




例えば1日外出で遊んだ日。



「この後みんなでご飯食べに行くらしいんだけど・・・ペルたん疲れてるよね?帰った方がいいかな?」

胎児(ペルたん)「ママは行きたいんでしょ?みんなとおしゃべりしたいんでしょ?だったら行けばいいよ。」




出産する場所をどこにしようか迷っていた時も。



「ペルたん、ペルたんはどこで産まれてきたい?近くには大きい病院もあるけど、助産院もいいかなぁって迷っててね。」

ペルたん(胎児)「ペルたんはどこでもいいよ。」

「え!?そうなの?でも『赤ちゃんはどこで産まれるかも、どうやって産まれるかも決めてくる』なんて聞いたことあったんだけど、ペルたんはこだわりないの?」

ペルたん(胎児)「べつに〜。無事に産んでくれればどこでもいいよ。」

「そうなの!?こだわりのない子もいるのね。」

ペルたん(胎児)「でもママは"じょさんいん"で産んでみたいんでしょ?」

「あ、バレてる(笑)私もペルたんが元気で産まれてきてくれたらどこでもいいんだけど、助産院での自然なお産っていうのを体験してみたいんだ。」

ペルたん(胎児)「だったら、付き合ってあげてもいいよ。」


とまぁ。ナイスなジェントルマン!?っぷり。

(この時はまだ性別は分かっていませんでしたが)




こんな感じでそれまでの主張の強さからは一転、『ママ優先期』が訪れたのでした。



もしかしたら今までが自分(ペルたん)一番だったのではなくて、身体の欲求に素直に行動できなかったママがちゃんと胎児や身体に目を向けるように主張していたのかもしれないな。


そんな私が、ようやく身体の言うことを聞けるようになったから、ペルたんからのご褒美かもー♪



なーんて勝手に思っていたのでした。






胎児の頃からなんてママ思いの子なんでしょう。


ホロリ。





でもそんなペルたんの優しさににあぐらをかいて

つい無理をしかけるとすぐに


胎児(ペルたん)「ママ、調子乗りすぎ(怒)」


ってな具合に怒られるんですけどね。



そのおかげでついつい突っ走りやすい私もブレーキをかけることができました。




これは産後の今でも同じ。

産後の身体と心の回復にと活動とのバランスは赤ちゃんになったペルたんがいつも教えてくれるんです。



そしてそれはお腹の中にいるときからの、こうやって一人の人間同士としてペルたん(胎児)と私(ママ)のパートナーシップを築いていった延長上にあるような気がしています。



胎児(ペルたん)「胎児と、ママと、カラダの声。どれも聞いてあげること。それが妊娠生活をうまく楽しむコツだよ♪」



胎児がやってほしいこととママがやりたいこと。

主張が違う時もあれば、ママに寄り添って協力してくれることもあり。


胎児が仲良く協力してくれる時、ときに現実を変えてしまうほどのそれはそれはものすごいパワーを発揮するんです。


————-


お腹の胎児とのコミュニケーションは、最初はママも胎児も「はじめまして。」から始まります。


私とペルたんの場合はお互いに「こう出たら相手はどう反応するんだろう」って実験しながら楽しんでる感じがありました。



胎児は全部分かっていて、産まれ方も、産まれて来る日も、場所も、全部決めてくるなんて話を聞いたことがありましたが、ペルたんのように「特にこだわりはない」という胎児もいるのだと知って驚きました。もしかしたら胎児の性格によっても違うのかもしれませんね。



胎児からのメッセージを聞いてくれないと主張が激しくなったり、逆に拗ねてしまうこともありましたが、たくさんおしゃべりして仲良くなると、ママの言うことも聞いてくれたり、相談に応じてくれるようにもなってきました。


これって大人同士のやり取りでも同じですよね。

一対一の人間同士として、「私は何をしたいんだろう」「相手は何を望んでいるんだろう」という思いをお互い伝え合いながら関係性を築いていきます。

 


胎児とママとのコミュニケーションって、人と人とのコミュニケーションなんです。

お腹の中にいるときから関係性を築いていくのと、産まれてから初めてスタートするのでは、何かしら違いがありそうじゃないですか?



最初はどれが胎児の声で、どれが自分の声で・・・なんて区別しづらいと思いますが

妊娠中ってカラダが繋がっているのだからママ=胎児でもある時期。

明確に区別する必要もないと思っています。



難しく考えず

「いま、やりたいことはなぁに?」

ってお腹の赤ちゃんに聞いてみてください。


そしてポンっと出てきたことをすぐに実行してみてください。

やってみた人にしか感じられない「何か」があると思います♪

————-

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◆このお話は、私の妊娠中の時感じていたお腹の中の胎児「ペルたん」とのやり取りを綴っています。

よろしければプロローグからお読みくださいませ◆


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