きれいなのがフツー幸せがフツーの私になる③好きだったけど、なんで再婚したのかわからない
遊んで遊んで遊びまくって
仕事もあっちへこっちへとしまくって
それでもって勉強もしまくってた中で、友人がひとりの男性を紹介してくれた。
初対面では
笑顔が超ド級の柔らかさ
こんなふうに笑う人をはじめて知った。
なおさら、私との接点は何もないなと思った。
私には、ふたりのやんちゃな息子がいる
相手は真面目に生き、独身生活をチャラチャラと謳歌中。
何をしているのかと聞かれ、占いの勉強中といったら、はじめて
「凄いやん! なれるわ。がんばり。」と言ってくれた。
はじめて、自分を応援してくれる人を見つけた
今の私を認めてもらえたような
そのうれしさだけが強く印象に残った。
でも不思議なもので、何がきっかけにということも何もなく、この日を境にしてデートを重ねることになった。
男と女というよりは、気の合う友人といった感じ。
何でも話せて、どんな話も聞いてもらえる
性の駆け引きをまったく意識することなく、安心して話せるはじめての異性。
彼には不特定多数の彼女がいたし
私にも他に彼氏らしき存在もいた。
けれどお互い、そんな探り合いをすることなく、都合が合う時間を見つけては会って話す、そんな若い学生カップルのような日々を過ごした。
そんなとき、運命の扉が開く
ある日、彼から電話がかかってきた。
パートを4つ掛け持ちしてる私は、常に忙しい。
勉強もしたい。
そんな忙しい最中、この意味不明のセリフに激怒し、彼のマンションまで行ってブリブリ怒りながら様子を見に行った。
案の定、几帳面な彼は準備万端。
カーッと頭に血がのぼって
仕事終わるまで待っとき!
捨て台詞を残して、とにかく仕事に行った。
そして夜、彼を迎えに行った。
少し会わない日々が続いていた間に、彼は交友関係でズタボロに傷ついていた。
死を覚悟するほど、それはよほどのことだったのだろう。
彼は何も言わなかった。
そして、私に何も望まなかった。
私がその場で「じゃぁね」と言えば
「バイバイ」と一言ですべてが終わっただろう。
でも私が言ったことは
私には、再婚する気などまったくなかったし
彼も、一生独身で遊び暮らし、一生子供は作らないないと豪語していた。
なのになのに、口からでたこの台詞。
彼からしてみれば、占いを生業と目指しているふたりの子持ち女。
しかも3歳年上。
友だちとして付き合うにはいいけれど、本心はどうだったんだろう。
私は私で、もう結婚はしたくなかった。
仕事も確立したい。
それに本音を言えば、好みのタイプとは真逆。
でも、もう運命の扉が開いてしまった。
お互いの気持ちのケジメ
ふたりの息子へのケジメとして
清水の舞台から飛び降りるような覚悟で
「結婚式だけしよか」
それから、週末だけ彼が訪ねてくる別居結婚生活がスタートした。
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