【episode 00】ただのプロレス好き少年が気づいたら海外でプロレスラーになっていた話

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著者: 山口 寛之


私がその少年と出会ったのは、今から20年近く前の話。


彼は当時小学校三年生。私は大学を卒業してフリーター稼業をしていた。


これは偶然としか言いようがないのだが、彼の母親がとある学習塾の事務としてパート勤務となった。


そこで私は従前から事務アルバイトとして働いていた。


これが彼と出会うキッカケにつながっていくことになる。



記憶が確かならば、パートさんを含め職員のご子息は少し安く授業を受けられたような…


そんな理由もあり彼は私の勤めていた学習塾に通うことになった。


とはいえ私は事務方なので、先生方のように子供達と頻繁に接触することはない。


だから始めの頃は「パートさんのお子さん」。


そのぐらいの印象しかなかった。


ただ、彼の勉強の面倒を見てくれる教師陣は私とはツーカーの仲。


色々な裏話を聞かされた。


今だったら虐待と言われかねない、モンペアが出てきても不思議ではない。


例えばあまりに言うことを聞かないと教師が自分の靴下を脱いで追いかけ回すなど…


とにかくここに書くと業界にも支障をきたしそうな話が「沢山」あった。



後に私はその塾でフリーターから正社員に登用されることになる。


そして現場と呼ばれる「教室」での仕事から、本部勤務へと配属が変わった。


当然彼とは疎遠な関係になっていった。


もっともこの配置転換は彼よりも、一緒に仕事をしていた母親にかなりの衝撃を与えてしまったようだが…



現場と本部といえばなかなか関わることもない。


まして正社員とパートという関係であればなおさらのこと。


このまま仕事場で再会することはほぼなくなるのだろうと思っていた。


しかし縁というのはあるもの。


ここから長い長い関係が続いていくことになる。



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