時が過ぎる度に、彼はぃつも嬉しい事を言ってくれてた。
彼の子犬と一緒に過ごした時は、まるで自分達の未来の子供みたいだね。
鏡の前で子犬を抱きしめながら私と彼が鏡の前でそんな事も言ってくれた。
また他の日は、僕の給料を管理してって。これには驚いたけど、それぐらい信頼されてると思うと嬉しかった。もちろん、断った。
月日はあっという間に2年経った。
2月14日。週末にも関わらず大好きな焼肉屋にディナーしに出かけた。
到着して直ぐに、彼はイライラモード。激混みなのが苦手で嫌いなんだ。年上の女性と場慣れしてない場所。彼はとにかくいつも人目を気にしてた。私以上に。
予約もしといたけど、そんなのお構いないような感じなのがローカルレストラン。
喧嘩もしたくないから、彼を聞いてお店を出た。どこに行くも決まってないけど、川沿いのBBQのお店に入った。
なんとか、一緒に記念に写真を撮るまで気分は落ち着いた。
なんとなく、楽しんだ。
収入格差がある私達は私の好意で計画したディナーなどはもちろんいつも全部私モチだった。
この国の物価は嬉しい事に、彼と使う金額は全く気にならない程度だった。けど、金額じゃなくて私の好意を当たり前だとは思って欲しくなかった。そんな事は私は男した事ないから。
私の中で彼のフテクした態度は許せなかった。私が予約までして楽しみにしといたのにって。
家に帰っても納得しなかった。バレンタインの記念日なのに彼が何も気にしないもが悲しかったし、腹だたしかった。
イライラしてた私は、もう寝るって。
彼は、なんなの? こんなバレンタインデーがあるかって!猛烈に反撃してきた。
よくある馬鹿げてる男女の小さな問題なのはわかってるけど、私は彼の罵声が本当に耐えられない。
女に向かって、威嚇して大声出すなんて。男は感情をコントロールするのが下手だ。だからきっとおお声を出すんだろう。私はひたすら論理的に問題を解決したかったし、彼に理解して欲しくて泣きながらブツブツ言ってた。彼にはそれがまた、イラついてる感じにも思えた。
こんな喧嘩は実は2週間ごとにあった。時には毎週。私は彼の態度が本当にどうしようも無いように感じた。
だからどうしたら安定した関係を続けれるかって考える様になった。会うのも週2回で十分だし、彼の夢と私の夢は別。って思おうとするようなきっかけの言い合いがよくあった。
私はどんどん、彼の態度が許せなくなってブチキレタ。
私は部屋のドアを開けて じゃあもう十分じゃない?! サヨナラって彼を追い出そうとした。彼は本当に怒ってた。
ー君は自分の事しか本当に考えてない!
君みたいに男をそんな風に見てると誰も君の事なんか愛してくれないよ。
本当にもう終わりだから!
と罵声をあげてくれた。
彼はドアをバタンッと。たたき閉めで出てた。そんな酷い事言われて私は悔しくて悔しくて。子供みたいに泣いた。
もう、修復できないぐらいお互いは嫌いになってたかもしれない。
いつもは数日間すれば、行き場がない2人の様に寄り添うけど、その繰り返しはもう彼と付き合う上で、パターン化されていてこのままそれがズッと続くと考えると滅入ってた。
ムカついて、彼よりいい男なんて沢山いるに決まってるじゃん!って言い聞かせた。
私は、以前この街に越してきた時友達作りでやり始めた出会い系アプリがあったのを思い出した。数年振りにアプリを開けたら、プロフィール写真は昔の自分がいた。
直ぐにメッセージが来た。生意気そうなアジア人好きのオッサン。
シカトした。
いかにも、ツーリストっと言った感じでベネフィットを求めてるような若者。
どちらにも興味は無かった。
ニック?珍しくイタリア人だ。彼はこの街に住んでるとか。彼はお国柄の様なノリで沢山メールをしてきた。翌日に直ぐにデートに誘われた。
彼とLINEを交換してからそのアプリは消した。
彼は街で1番の、高いレストランを予約したいと言ったけど、残念ながらお休みだったから、他のレストランで待ち合わせした。
男性からのそんなデートの誘い方は久しぶりで、とにかく緊張した。
この街の外国人コミュニティは本当に小さい。ただ私がここ2年は黒い子と付き合ってたから殆ど、溜まり場的なバーとかは出入りしてなかった。
彼がこの街に住んでるなら、慎重になろうと思った。友達になるかそれ以上の関係になるのか知らないけど。
彼はイケメンではないけどハンサムっぽい雰囲気で身長も185センチぐらいに見えた。歳も近くて話は緊張しながらもお酒で楽しめた。ディナーが終わる頃には彼はバーに誘ってくれた。
私が久しぶりに行くそこのバーは彼は常連の様だった。そんな彼の顔見知りがいるバーに連れてってくれて嬉しかった。
黒い子とは絶対できない様な事だった。
ニックと私はお互い時に、男女を意識した態度は全く取らなかった。私はなんとなくホッとしてたかも。
帰りは彼が家まで愛車のベスパで送ってくれた。こんな時の欧米人とのサヨナラはハグ。彼はちからずよく抱きしめてきた。
じゃあ、とハグを取りやめ様とした時に彼は口元にキスをしようとしてきた。
私は反射的に避けてしまった。また避けて、恥ずかしい振りを演じといた。
またね、笑顔で恥ずかしいそうにバイバイして。
通りでバイバイした後、ひとりで家の前まで私の頭はオカシクなってた。
何してるんだろう自分って。涙が沢山でてきた。
部屋のベットでも沢山。大泣きした。黒い子の事思って。
黒い子は、毎回のごとくゴメンねを言いにきた。これは本当に最後って思うぐらいでもお互いの意地の様にも思えた。
彼は私が彼を去るはずないとどこかで思ってるのが、悔しく思えた。時には居留守も使った。
私がニックに会いに行く夜、ドアを開けたら黒い子が愛犬と一緒にいた。
私は彼の犬、ミーちゃんが本当に大好きでいつも可愛がってた。私は辛いながらも、お願いだからここにいないで欲しいって、伝えた。
メイクもばっちりしてるのに、涙が今直ぐにでも溢れ落ちそうなぐらい視界に溜まってた。
私は言った、もう関係ないでしょ。もう終わり。って
黒い子は何処に私が行くか聞いてきた。私は友達に会いに行くって!
彼は本当に悲しそうな背中を向けてミーちゃんとバイクで後にした。
私は通りまで出てタクシーを拾おうとしたら、黒い子がまた来た。
今まで見た事ないぐらい必死に道の端でバイクにまたがりながら荒々しい声で、
ー僕が送って行くから、友達ならいいでしょ?
なんでこんな事するだ!
私はこんなに必死になってる彼を見て腹がたったけど、泣けるぐらい悲しかった。
私はいつも彼に必死だったのになんで彼は今まで必死になってくれなかったのかなって。
調子良すぎじゃん。
彼はその場を離れないから私は、直ぐ目の前にるホテルに入りタクシーをレセプッションで呼んでもらった。
タクシーは直ぐきた。私は長年彼といたせいか、彼の行動がなんとなくいつも読めた。私はタクシーの後部座席で外から見えないように身を縮めた。
彼の声で私を呼ぶ声がした。
彼は周りにも聞こえるぐらい大きな声で I love you
と言って去って言った。
そのまま、ニックと待ち合わせのレストランへ行った。レストランについても彼がどこからか見てそうでドキドキした。
ニックは白いシャツでとても清潔感がある格好もしくは、イタリア人の定番の様な格好だった。私は彼の前で誘う様な格好はあえてしたくなかったから、彼には申し訳なかったけど、スキニージーンズにTシャツとヒールの格好をしていた。
彼との会話はあまりパッとしなかった。彼も同じ様に思ってたかもしれない。彼はなんか真面目な感じだった。彼はエンジニアとしてこの街にある外資系の大きな会社に勤めている。若くて、会社の駐在でここに住んでいる人は少なかったから、彼はきっと出稼ぎに来ているロシア人とかオージーにモテるんだろうなって思った。私には勿体無いって思う経歴のある人だと思った。
時間をかけたディナーの後はまたいつものバーに行った。私達は寄り添ってソファ席にいたから、なんとなく体が触れてドキドキしてたけど、心がドキドキしてたと言うより肉体的に感じていたと思う。
何もないまま、今夜も解散と思ってたけど
彼と偶然目があって キスしてしまった。
お酒の力70%のキス。
彼は私を彼の家へ誘おうとしてきた。
私はすんなり、断った。 今度はサヨナラのキスを5分ぐらいした。
でも、帰った。
ニックと私は毎日チャットしてた。内容はどーでもいいような事だったと思う。
彼は何度も私誘ってきた。時には、私の友人も同じテーブルにいた時もあった。彼女達は私の新しいロマンスをサポートしてくれた。黒い子との関係はずっと内緒だっただけに、友人とニックについてあーだこーだ言うのはなんとなく新鮮で楽しかったし、友人も私にやっと浮いた話できて歓迎してくれる感じがした。
ある日も、私達はいつものバーに行った。
相変わらず、黒い子から毎日メールや電話が続いてた。
たまに、電話に出た時は彼は電話越しに泣いている時もあった。
バーで見覚えがある友人がいた。その初老の男性もイタリア人。
黒い子のサーフィン仲間だ。私達の関係を唯一知っている人だった。彼も20歳ぐらい年下の現地女性の彼女がいたからタブーな黒い子と私の付き合いには寛容的だったし、久しぶりに会うと私達が上手く行っているのを知ると嬉しいと祝福してくれる人だった。
彼に気づかれたくない気持ちで私は一生懸命気配を消そうとした。
同時に黒い子から携帯へ着信があった。私はこれは何かの提示かって思うぐらい怖かった。
私は神様はしんじなけど宇宙は信じる。
宇宙がね、私に警告しているって思った。
もう本当に二度と彼と戻れない。信じたくなかったけど。
その夜、始めてニックと寝た。
自分の中で信じられなかったけど、デートし始めてからこんなに時間かけた事ないって思うぐらい直ぐにニックとはヤロウと思わなかった。確か5回目のデートまでヤンなかった。
寝ても何も変わらなかったし、私はずっと黒い子の事で頭が一杯だった。
何も素敵な気持ちにはならなかった。
夜も遅かったけど、彼とこのまま朝を迎える必要もなく思えた。ニックは お好きなように⁈ って悪気なく意地悪に言ってきた。
私はお泊りセットをない事を理由にして家に帰った。
数日後、私は黒い子に会った。私は黒い子と寝てしまった。
最低な気分だった。自分が嫌いだった。
黒い子が耳元で囁いた、You are my everything .... 君は僕の全て。
私は涙が止まらなかった、子供みたいにまた彼の胸の中で泣いてた。
何で今いうの?ずるい。もっと前に聞きたかった。
ニックとはそんな関係が数回続いた。けど朝を一緒に迎える事はずっと起こらなかった。
彼と会うのは週末の夜だけでいつものバーでブラブラするだけが殆どだった。
お互いタイミングを逃した様な関係で連絡も前より減少してた。
黒い子と久しぶりに、別れて1カ月ぐらい経った頃の夜ビーチで会った。
彼は相変わらず暗かった。
私は、正直に今デートしてる人が実は居るんだって言った。彼は私を突き放して、信じられない目で私を見つめてきた。
誰だ?って力強く聞いてきた。
ーあなたが知らない人。
結局、私はひとりで家に帰った。
黒い子が心配で仕方なかった。あんな目で私見てくるは始めてだった。
電話したら彼はビーチで夜を明かすと言った
ーお願いだから、そんな事しないで。
仕方なく、私は彼を招かないといけなくなってた。同じ事が数回続いた。
そのある日に彼は床で寝ようとしてたけど、そんな事はして欲しくなかったからベッドで手を繋いで寝た。
彼は私を説得しようとした。
ーお願いだから僕へ戻ってきて。君がデートして他の男と寝てるのなんて許すし、僕たちで新しくまたスタートすればいいじゃん。
私は男がこんな姿になってるのは、始めて見ただった。
黒い子は、目を真っ赤にして泣き崩れていた。
彼は本当の愛をくれてたんだって気づいた。


