それは、神ががり的な出会いから始まった~その4

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義母の故郷、平泉は東北地方にあります。
電車だと一日がかりだというので車をチャーターして行くことに。
ベンツのワゴン車だから大丈夫でしょう。
やや不安な気持ちを抱えたまま、北京から高速に乗った私たちは、
4時間ほどで承徳に到着しました。
平泉まであと1時間。
いつの間にか平野が消えて、周りは、山の多い風景に変わっていました。

途中、小さな村が視界に入る度に 何かを探すようにしていた義母が
「あっ!!」と小さな声を上げました。
「あ!あの橋!あんな石でできた橋だったのよ」
義母が思い出していたのは、当時、平泉川にかかっていた石橋でした。
その橋のたもとで、冬にスケートをしたことを
前日、北京のホテルで、私に話してくれていたのです。
「平泉でも、石橋が残っているといいね」
古い橋が残る田舎の景色を眺めながら
私たちは平泉の市街へと向かって行きました。
     ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
平泉の街にはいると、今まで嬉しそうにしていた義母の顔が
どんどん曇ってくるのが分かりました。
あまりにも都会になってしまった街の様子に、どうやら戸惑っているようです。
「ねぇ、お義母さん、どこか思い出した場所はある?」
「橋に行けば分かると思うんだけど…」
「橋の近くに学校があって、その近くには駅もあった。
 そして駅の向こうに私たちの家があったのよ」
義母の記憶にある平泉の街は、平泉川にかかる石橋を中心に描かれているようです。
小学2年~6年までを平泉で過ごした義母、
小さな子供の行動範囲といえば、学校と家の往復くらい。
義母は毎日通った通学路を思い出しているのでしょう。
「石橋はどこかしら? 橋と川を見れば思い出すのに……」


ありました! (=◇=;)
橋は新しくなっていましたが、これが平泉橋です。
「ここ!ここがスケートをしていた場所なのよ!」
「そうそう!懐かしいねぇ。川はそのままだわ」
叔母も当時を思い出したのか、本当に嬉しそうです。


昔、小学校があった辺り。今ではマンションが建ち並んでいます。
「駅は? 駅はどうかしら? 早く駅を見てみたい!」
こんなにはしゃぐ義母を初めて見ました。
少女時代に戻った義母と叔母は
あまりの懐かしさに興奮しっぱなしですヽ(゚◇゚ )ノ
平泉の駅はすぐそこ!
いよいよ懐かしの風景とご対面です。

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