自分らしくを大切にする人生 その10 ~アメリカで婚約までした彼を失った経験から強くなれた僕。「自分らしく」ありのまま伝えようと、仕事で公にゲイであるとカミングアウトしました。~
まさしく、あのアメリカ人の友人と話していたこと。
僕が正直に、ありのまま、自分らしく自分を出すことで、それが人の心に届く。人の心をやわらかくしていく。
カミングアウトをして本当によかったなって思えることでした。
カミングアウトをして、正直にピンクが好きー!って講座で言っていると、
講座に参加した方からこんな風にピンクのクッションをいただいたり、
(キュートでしょ?)
雛祭りにはお花のプレゼント。
よーく見ると、
真ん中にはお内裏様のカップル!!!
「キヨちゃんにもいい相手が見つかりますように!」(アメリカの彼と別れて2年間彼氏おらず。。。)
と花をプレゼントして下ったりと、
みなさんとの距離が本当に楽しく、近くなったのでした。
カミングアウトしてよかった!
自分らしくやってよかった!
と思えました。
小さい頃から女のこと遊ぶのが自然で、いつもゴム飛びやニックネームで呼び合ったりしていた僕。「女の子と一緒にいるのは変」と言われて、本当にショックで、自分の素の部分が出せなくなって。
本当は男の人が大好きなのに、女の人が好きな、異性愛者のふりをして、ゲイだとばれないようにいつもびくびくして生きて。
男性と初体験をしても自分を受け入れられなくて、ただ後悔しか残らず。
カミングアウトができても、自分を大切にできず、体調を崩して仕事ができなくなって。
そんな人生を生きてきた僕にとって、自分らしく、公にカミングアウトが出来ているというのは、本当に感慨深いというか、奇跡というか、そのくらい大きなことです。
小さい頃から一緒だった同級生たちもゲイであることを受け入れてくれて。
仕事で出あう人たちとも壁のない、素直な気持ちで接せられて。
ものすごく悩んだ人生を送ったかもしれませんが、でもその分、「自分を大切にすること」をとても大切に出来ているように思います。
それが僕の根本になったように思います。
自分らしく。
お金があっても、家があっても、仕事があっても、自分らしくを大切に出来ていないときはストレスばかり。体調を崩すほど。
それが、自分を大切にするようになることで、本当に人生が充実してきて、
自分を大切にするということは人生のベースなんだ、と学びました。
これさえあれば、なんとかなる。
逆にこれがなければ、環境がどれだけよくても、しんどくなる。
そのくらい大切なものが「自分らしく」。
これからも、自分らしくを大切に生きていければいいなと思いますし、
LGBTの方達だけでなく、いろんな人に、自分らしさの大切さを伝えられたらって思っています。
ps 恩師とのカミングアウトエピソードです。
小学校5年生の時の恩師島田美保先生。とてもきびしく、そしてやさしさももった素敵な先生でした。
当時僕は苦手な同級生がいて、その人の言うことにNOが言えず、いつも自分を抑えてその人の言うことに従っていました。ある日の放課後、先生は僕に学校に残るように言い、二人で話をしました。
「清文君はなんで~~君にいいなりなの?嫌だといわないの?」
「みんな怖くても嫌だって言っています。あなたも言わないと!」
と本当に親身になってしかってくれました。
でも当時の僕としては、
「とりあえず逃げていればいいじゃない。いつか状況がよくなるかも。」
としか思えず、先生の言葉を素直に受け止められませんでした。
この自分を抑えて、周りの言うことを聞く、というパターンはその後ずっと続き、30歳を過ぎた頃のあの突然の体調不良になったわけです。僕の根本的な行動パターンを見抜き、小学校5年生の時に忠告してくださっていた恩師。
先生は僕のブログも読んでくださっていて、実家に帰省しているとある日のブログで書いたところ、先生が突然実家に電話を下さり、「明日会いましょう」と誘ってくださいました。
先生が勤められていた小学校の校長室におじゃまし、いろんなお話をしました。
そしてそろそろ帰らなくてはといった時に、先生が僕の目を見て、
「今日ね、あなたを呼んだのは、理由があったのよ。」
「それは、あなたのブログでカミングアウトしているのを読んだから。」
「本当に、よくがんばりましたね。」
と言ってくださいました。
その言葉に、堰を切ったように涙がとまらなくなった僕。
ちょうど5年生の頃に周りの同級生に「変」と言われて、自分の素の部分を抑え込むようになって、本当にしんどくて。誰にも相談できなくて一人ずっと悩んでいて。ソフトボールも無理やり通わされて、逃げ場もなくなって言った僕。
そして自分を抑えて周りの言うことにただ従っていたいいこちゃんの僕。
その当時を見てくださっていた方から、
「よくがんばりましたね」
と言っていただけることは、何よりのねぎらいでした。
「本当に、あきらめないでがんばってきてよかった!」
「いろんなことがあったけど、本当に今うれしい!」
そんな気持ちでワンワン泣いてしまった僕。
実は、帰りの車の中でも涙が止まらなかったほど。
泣き虫な僕ですが、そのくらい感動したのでした。
島田先生、本当にありがとうございました!
大好きな先生です。いつまでもどうぞお元気で!
pps ご参考まで、2014年8月31日のカミングアウト全文を最後に記します。
今日は竹内清文から大切なお知らせがあります。
僕は同性愛者、つまりゲイです。
これまで正式にはオープンにせず、一部の方に限定してオープンにしていました。
その理由は、例えば、家族からの理解が得られないこと、親戚のみなさんの反応が怖かったり、迷惑をかけてしまうのではないかという心配があったからです。
今では日本もずいぶんセクシャルマイノリティ(性的少数者)の認知度も上がっていますが、私の生まれ育った岡山の田舎では全く認知度はありませんでした。
小さい頃から女の子といるほうが落ちついて、楽しく、サッカーやソフトボールをするよりも、女の子とままごとをしたり、ゴム飛びをしたりするのが好きでした。
しかし、それはなかなか受け入れられるものではなく、小さい頃から父親からはソフトボールを習うようにすすめられたり、男の子の同級生からは女の子と仲良くする自分をからかわれたり、受け入れてもらえませんでした。
多くの男の子が「男の子と一緒に遊びたい」と思うのと同様、僕の場合、自然な、純粋な気持ちで、「女の子と一緒に遊びたい」という気持ちだったのだと思うのですが、それが認められないというのは、小さな自分に立ちはだかった、もしかしたら人生で初めての、とても大きな壁でした。
高校の頃に男性同性愛者だと自覚できるようになりましたが、テレビを見ると、「芸能人のだれだれがホモだとか」、そういった「暴露」情報としてゲイが扱われるのを観たり、同級生でも「だれだれはホモっぽい」などと、うわさの対象になっているのを聞くと、自分のセクシャリティをオープンにしようなどと全く思いませんでした。
一生隠し通さなければならないものだ、と当時は思っていました。
自分の大切な一部、セクシャリティの部分で、常に隠れている、常に受け入れられない、そんな時間を小さい頃から生きてきたのです。
大学生で北海道に住むようになり、札幌のゲイのコミュニティにも足を運ぶようになり、ようやく自分のセクシャリティについて受け入れられるように少しずつなってきました。
全く真っ暗だった、望みのなかった状況に、少しずつ光がさしてくるような、そんな経験でした。
20代のころから少しずつカミングアウトをするようになり、30代になりガラクタ整理として個人で活動してくる中で、自分のセクシャリティについてもいつか世の中に正式にオープンにしたいと思うようになりました。
今、37歳になり、ようやく正式にみなさんにシェアできるようになりました。
セクシャリティはとてもプライベートなことでもあり、また小さい頃から傷ついたり、家族や親戚の目を気にしたりなど、今でも完全にすべてうまくいっている!というわけでもないところもあります。
日本の状況も以前に比べればずいぶん良くなってはいますが、やはり差別の対象になったり、当事者が自分をそのまま受け入れることができなかったり、本当に望む生き方ができなかったり等、まだ難しい面もいろいろあります。
でも、外の環境がどうであれ、
僕の大切な一部として、
僕は同性愛者、ゲイなのです。
なかなかセクシャリティのことは日本では正式にオープンにしないとは思うのですが、僕の体験をシェアしたり、このブログで伝えたりすることで、一人でも多くの方の心に何かが伝わればいいなと願っています。
そして、今僕は、「Be Yourself!本当の自分を生きよう!」という活動をはじめています。
ゲイとしてのこれまでの経験をみなさんに正直に、オープンにシェアすること、僕が学んだことをみなさんにもお伝えすることが、日本のみなさんのBe Yourself、本当の自分を生きることへのきっかけにもなればと思っています。
今日は、Be Myselfの姿を皆さんとシェアしたい、そんな気持ちでオープンにすることを決断しました。
幼い頃と比べれば、今ではずいぶん自分を受け入れられるようになり、こうしてみなさんにお知らせができることはとてもうれしいことでもあります!
そして、ちょっぴり緊張することでもあります。
これからも、竹内清文は「Be Yourself!本当の自分を生きよう!」を自分自身も精進していきたいと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Be Youserlf!
本当の自分を生きよう!
2014年8月31日
竹内清文
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