「問題は必ず解決できる」貧乏大学生が、東京とシリコンバレーでの10ヶ月を合計家賃3万円で暮らすまで気づかなかった「お金・真面目・旅行」より大事なこと

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トビタテ留学JAPANプログラムでは、留学にかかる潤沢な費用が毎月支給されるはずです。なのに、なぜぼくはそこまで金銭的に困っていたのでしょうか?

実は、このプログラムでは、留学計画が少しでも変わると変更申請というプロセスを踏まないといけないのです。

なんと、この手続き3ヶ月以上かかるのです(笑)

なんと、変更申請が認められるまで、奨学金が支給されないのです(笑)

なんと、いつ終わるか目処が連絡されないので、誰かからお金も借りにくいのです(笑)


ぼくが、トビタテの計画書を書いたのは、2015年の4月です。実際に留学が始まったのは、2016年の2月です。この変化の激しい時代で、多感な時期に、1年後の計画を1年後に全くの変更なしに実行できる人のほうが少数派で、超人だと思います。それなのに、留学計画の小さい変更の手続きでさえ、これほどのコストがかかるのは改善されるべきでしょう。誰もパブリッシュに発信していませんが、悩まされている人も多いかと思います。ぼくの友人には、トビタテからお金が支給されるまで、消費者金融から借金していた友達もいます。本末転倒の極みですよね。


シリコンバレー随一の投資家・ピーター・ティール氏もこんなことを言っています。


ピーター・ティール
シンギュラリティ(急激なテクノロジーの進歩)は、現実になったときの不安よりも、何も起こらなかったときの方が不安要素として大きいと思っています。何も起こらないということはつまり、テクノロジーにおける人類の進歩の停滞を意味するのですから。


これを変更申請の例に置き換えてみましょう。

ぜんぶ、(笑)とつけましたが、全く笑えません。早く改善されてほしいです。本当に。

 

交渉のコツは、「ゴキブリ力」と「Disる前にContribute」


これで、なぜぼくが、お金に困っていたかわかったと思います。


ゴキブリ力

お金がないにもかかわらず、アメリカの大学の前期の授業料約3000ドルを4月までに支払わないといけませんでした。ご存知の通り、いくらなんでも不可能ですよね?笑 だから、ぼくは、交渉して支払いを延期させてもらうしか方法がありませんでした。

もちろん、一筋縄ではいかず、一回目はあえなく撃沈しました。しかし、諦めません。知恵を振り絞って、策を考えます。


大学に頼んで、自分は奨学金プログラムの学生であることを証明する書類を作成していただきました。これをアメリカの大学の国際課の持っていって、「ある事情があって、奨学金の振り込みが遅れているんだ。嘘だと思うなら、この書類を見てよ」と交渉します。



すると、1回目よりは話を聞いてくれるようになりました。これを次の日も、次の日も、次の日もゴキブリのように粘ります。すると、アメリカの国際課の人達からは、「また、こいつかよ」という顔をされ、「こいつは、こういう奴だから仕方ないか」というふうな態度に変わっていくのが見て取れます。こうなると占めたものです。


結果的に、学費の支払いを2学期が始まる9月まで延期することに成功しました。


Disる前にContribute


そもそも、大きく変更申請したのが4月以降の受け入れ先の部分でした。だから、留学開始の2月から受け入れ先変更の是非に関わる4月までの生活費と、航空券代だけでも先に振り込んでもらえないか交渉してみました。どこもおかしくないロジックですよね?


すると、なんと、大学が認めてくれないのです。



しかし、諦めません。

正直、これだけ手続きが煩雑で、非効率で、話が通じないと嫌になって暴言を吐いたり、Disりたくなってきます。でも、Disったところで、事態は改善されないし、むしろ悪くなるだけです。なので、その空きそうな口をぐっと堪えます。


シリコンバレーで活躍するエンジニア兼炎上系ブロガー
ぼくが尊敬するプログラマーの名言に「Disる前にContribute」という言葉があります。日本語にすると、「貢献してから文句を言え」ということです。
シリコンバレーで活躍するエンジニア兼炎上系ブロガー
プログラミングをやっていると、他人の書いたコードを自分のプロジェクトで使うことがよくあります。
シリコンバレーで活躍するエンジニア兼炎上系ブロガー
そのコードに間違いがあって、使いものにならないようなときに、「こいつのコードは使えない」と文句を言うのではなく、「ここが間違っていたので、直しておきましたよ」と伝えてあげるのが、「貢献してから文句を言え」ということです。


相手を罵倒して、Disるのではなく、知恵を振り絞って、自分が「何か同志社大学やトビタテ留学JAPANに貢献できないか」を考えるのです。


ぼくは、トビタテジャーナルという「多様な留学を行うトビタテ生だけに特化している外向けのWEBメディア(トビタテ生にとっては、トビタテ生のデータベースとしても機能するはず)」を開発し、運営していることを思い出しました。そして、つい最近、問題ありまくりだったサイトもリニューアルしていい感じにしました。


もちろん、ぼくは、トビタテに貢献するためにこのWEBサイトを運営しているわけでは全くないですし、自分が貢献しているんだと言いたいわけでは全くありません。しかし、このWEBサイトの存在が、トビタテや同志社大学に少しは役立っていることは事実でしょう。


「こういうところに問題があると思ったので、それを解決するWEBサイトを実装しましたよ」と先に伝えて、「ところで、こうこうこういうロジックだと、この月までの奨学金は振り込まれて然るべきだと思います。だから、何とかなりませんかね?」と交渉します。すると、ぼくに対して悪い印象を持たなくなるので、話を聞いてくれるようになります。


結果的に、変更に関わるまでの費用、つまり、航空券代と2月と3月の生活費が6月3日に振り込んでもらうことに成功しました。



昔は、先生や監督や親の言うことにただただ従う従順で真面目なタイプで損をすることが多かったですが、アメリカで交渉力を身につけたことでいいバランスになったかと思います。いい英語のレッスンにもなりました。


3.“旅行、ノマド”への憧れは、幻想。“拠点と学生結婚”の大切さ


インターネットの発達によって、世界各国を旅をしながら、ノマドワーカとして働くことがもてはやされています。組織や住む場所や形態に縛られなくていい。一見、自由で楽しそうです。「自分もそんな働き方ができればな〜」と考えていた時期もありました。しかし、今回の経験を通して、それは自分にとっては、幻想だったと気づきました。自分が何かにチャレンジするには、安定した拠点が必要だとわかったのです。


最初にも述べたように、ぼくは、居候させてくれる友人が多くいるスタンフォード大学に3ヶ月間住んでいました。スタンフォード大学というと、GoogleやYahooなどの巨大企業を生み出した人たちの母校であったり、シリコンバレーを牽引している世界最高峰の大学であるからか、この話を友人に話すとよく羨まれます。かくいう自分も当初は、楽しくて最高だと思っていました。



しかし、実際は、3ヶ月間住んでいたといっても、同じ場所に3ヶ月間、定住していたわけではありません。スタンフォードの規則を破って友達に迷惑をかけないように、規則を守るために、5日間おきぐらいに住む場所を変えていました。東京都杉並区と同じ面積を持つ、スタンフォード大学の敷地を転々としていました。拠点なんてありません。まるでノマドです。


まず、最初に誤解されないように言っておきますが、この3ヶ月間のおかげで自分は何とかなりました。また、日曜日の夜の12時でさえ、平気で勉強するモチベーションの高い学生がたくさんいるのを目の当たりにできたりして、たくさんのことを学ぶことができました。本当に、泊めてくれた友人たちには、感謝しています。


スタンフォード大学のとある場所の日曜日の夜12時の光景


しかし、この3ヶ月間は思っていたより、辛かったのです。何が辛かったかというと、「定住地がないこと、寝床が確保されていないこと」があなたが思っているより精神的に堪えるのです。この期間ぼくは、ずっと床で寝袋で寝ていましたし、自分の家ではないので、気を遣うし、肩身も狭かったです。おまけに、自炊できる環境がないので、毎日外食でした。パンダエクスプレスという安くて、決しておいしいとは言えない店です。

このような小さなストレスが毎日積み重なってくると大きいストレスになるのです。そうすると、ぼくの集中力が低いだけかもしれませんが、お昼の勉強している時間でも、そのようなことに頭のリソースを取られてしまい、勉強に集中できなかったりするのです。毎日が不安だったのです。


この経験を通して、ぼくは、東京時代に、友人が話していたある話を思い出しました。


学生結婚したい人
ねえ、学生結婚についてどう思う?
ぼく
考えたことないw
学生結婚したい人
わたしは、学生結婚はかなりしたい。なぜなら、人間は、ソリッドな安定したものが土台にあってはじめて、研究やプロジェクトに集中することができる。集中できているから結果を残すことができる。だから、自分のことに集中するために、早く結婚がしたい
ぼく
(なに言ってるんだこの人、焦りすぎだろ(笑))


このとき、ぼくは、うなずいて、理解を示しながらも、疑心暗鬼していたんですが、今回の「定住地がない状態が3ヶ月間続いた経験」を通して、やっとこのときの言葉の意味が、腹落ちして理解することができたような気がします。本当にそのとおりだと思います。人間は、安定した土台があって初めて、持続的なチャレンジができると思います。


2の項で述べたように、3ヶ月を経て、やっと、奨学金のいくらかが振り込まれました。それによって、自分の家を借りることができました。こんな感じの家です。


今の家の紹介



ルームメイトは、コロラド州出身のGoogleのクックや、みんな同じ大学の学生で、メキシコ出身のクリスチャンやシンガポール出身の下ネタしか言わない兄弟やギリシャ出身のイケメンたちです。


ジムやクラブハウスが付いていたり



なんと、ジャグジーとプールまで!!!



家賃は、月800ドルで8月以降にさらに安くなる可能性ありです。


余談ですが、ぼくは、決して広くはない自分の部屋によく友達を泊めています。もうすでに4人泊めました。それは、この10ヶ月間、たくさんの人の家に無料で泊めていただいたり、ご飯をごちそうしてもらったり、郵送してもらったり、本当にお世話になり助けてもらったからです。それを、恩送りという形で返していきたいと考えているからです。ぼくは、「テイク(見返り)」が前提の「ギブ」はもうやめました。「テイク」が初めから欲しいなら最初から「ギブ」しません。なので、ぼくが誰かに何か「ギブ」したからって「テイク(見返り)」は全く期待していないので安心してください。自己満足、自己完結のためにしているだけです。逆に自分が何か貰った時は必ず返すように心掛けています。その方が面倒臭くなくて楽だし、「あれ、おれあんなけ世話してやったのに、「テイク(見返り)」ないじゃん」って陰口叩くより、かっこいいと思うからです。


これから、この家で地に足つけて、自分のプロジェクトや勉強を頑張っていくことができそうです。


最後に


まとめると、東京時代の、2015年8月〜2016年1月は文章を見ていただいた方の家に無料で居候。1月〜2月は、シェアハウスに1ヶ月3万円。シリコンバレーの、2016年2月〜5月はスタンフォード大学に無料で居候。よって、タイトルにあるとおり、東京とシリコンバレーでの10ヶ月を合計家賃3万円で暮らせていたのです。


生意気さだけより謙虚であること、そして問題は必ず解決できるということ



お金もない、家もない、技術もない、いったいそんな自分に何が残っているのだろうか?



そう叫びたくなる瞬間でした。自分にとってのセーフティネットです。


今回の経験を通して、文字で表現するのが難しいのですが、「生意気さとビッグマウスだけがとりえの自分だったら」と仮定して過去を振り返ってみると、「みんなは助けてくれたか?」に対する答えは、Noの確率がMaybeの確率より高くなり、「ゲームオーバーしていたか?」に対する答えは、Yesの確率がMaybeの確率より高くなるということがわかりました。


今回の経験を通して、日常生活で、どんな困難に直面しても、知恵とを振り絞り、根気があれば、必ず策はあり、「問題は必ず解決できる」ということを学ぶことができました。


みんなは、本当にぼくを助けてくれます。なんでみんな助けてくれるんだろう? 


やっぱり、ぼくが、Hidetaka Kだからでしょうか?笑



だとすると、いつか化けの皮が剥がれないように、剥がれても困らないように、助けてくれた人達をいつか助けれるように、今、アメリカで、必死に勉強しよう。


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