ファイナンス入門 (16)コーポレートガバナンスコードとスチュワードシップコード

前編: ファイナンス入門 (15) 行動ファイナンス
後編: ファイナンス入門 (17)EU何故ギリシャは残こり英国は離脱

安倍内閣の「日本再興戦略」の具体策のひとつが「コーポレートガバナンス(企業統治)」の強化。


本コードは金融庁、東証を共同事務局とする有識者会議での議論の結論であり、大きく5つの基本原則で構成され、(1)株主の権利・平等性の確保、(2)株主以外のステークホルダーとの適切な協働、(3)適切な情報開示と透明性の確保、(4)取締役会等の責務、(5)株主の対話、に関する指針が示されている。

投資家が安心して投資できる環境を整えて産業界で資金が上手く回るようにとの狙いだ。

東証の規則を改正して上場企業に対して本コードに基づく開示を義務ずけ、開示できない場合にはその理由を述べる必要がある。よって「コンプライ オア エクスプレイン」(開示するか説明)が基本原則だ。

大きな変化は上場企業では2名以上の社外取締役を選任する必要ができたこと。

これにより弁護士、会計士、大学教授への社外取締役としての需要が急増。

大企業の場合、月に数日の勤務で年額1千万円が平均との推計も。

有名な人は複数の掛け持ちを、これまた他の公職、本業と兼業していることから、どの程度の効果があるのかとの議論は絶えない。

社外取締役になりたい上場企業の役員経験者を名簿に載せると言って料金を取る詐欺まがいな商売も横行しているらしい。


一方、スチュワードシップコード。スチュワードとは執事、今はフライトアテンダントと言うがかつてはスチュワーデスと言われた客室乗務員を表す英語でもある。

ここでは投資からの財産を委託される金融機関の行動を律する規則を意味する。

投資先企業の企業価値を向上し、受益者のリターンを最大化する狙いの下、機関投資家は(1)受託者責任の果たし方の方針公表、(2)利益相反の管理に関する方針公表、(3)投資先企業の経営モニタリング、(4)受託者活動強化のタイミングと方法のガイドラインの設定、(5)他の投資家との協働、(6)議決権行使の方針と行使結果の公表、(7)受託者行動と議決権行使活動の定期的報告、を行うべきとする7つの原則で構成されている。

リーマンショックの際に露呈した金融機関の問題ある行動への懸念を除去する為に、受託者としての責任を確認するもので、金融庁によって発表された後、これをうけいれることを表明した金融機関のリストが公開されている。

しかし、こうなったところで「うちは従いません。」なんて言う金融機関があるとも思えないが、再度その重要性を確認する意味はあるだろう。


この様に企業におけるコーポレートガバナンスコードと、金融機関におけるスチュワードシップコードは車の両輪とも言え、両者が上手く機能することによって健全な投資環境が保たれることになる。



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ファイナンス入門 (17)EU何故ギリシャは残こり英国は離脱

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