ファイナンス入門 (17)EU何故ギリシャは残こり英国は離脱

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後編: ファイナンス入門 (18) ヘリコプターマネー

英国が国民投票で僅差でEUから離脱することになった。一方で数件来、債務返済に不安が囁かれてEU各国から緊縮策を強要されているギリシャ。文句を言いながらもEUにしがみついている。

そもそも英国でEU離脱の議論が高まった理由は大きく言って3つ。

一つは同じEU圏のルーマニアやブルガリアやと言った貧しい国から大量な移民が流れ込んでしまったこと。元々、母国では月に数千円の所得しかなかった人達がより稼げる仕事と豊かな生活を求めて英国に流入。EUでは貿易、資本と労働力の移動の自由を標榜しているので、ビザで規制する訳にもいかない。

悪いことに英国では財政緊縮財政で公的サービスへの支出を削減しており、そうでなくとも受けにくくなっていた医療などの公的サービスが移民による人口増で益々受けにくくなっていた。

二目はEUの統治機関が巨大化、金は掛かるし物事は進まないと、当初のEUの理念とは反する副作用が出てきてしまったこと。今やEUの役人の給料は非常に高く新特権階級を生んでいるとも言えます。

そんなEUの為に多額の拠出金を払い続けることに疑問の声が上がるのも当然のことです。

そして三つ目。同じ経済圏であるということは本来は同じ物や労働に対して同じ価格が付くはず。

ところが実際にはEU圏の北の国々は豊かで給与水準も高い反面、南の国では経済が停滞して給与水準も低いままだ。そうなると経済の停滞した国では税収が減少し、それを補うにはギリシャの様に赤字国債を刷りまくるか、緊縮財政しかない。

そうすると結局ギリシャの例の様に最後は豊かな国が貧しい国に補助金を与えざるを得なくなってしまう。当然、このお金は豊かな国の国民の払う税金。しかし、その効果はどこか遠くの知らない所で道路を作ったり市庁舎を作るのに使われている。

多額の貿易収支で潤っているドイツならまだしも経常収支、財政収支の双子の赤字に悩む英国にとってはこれは受けいられるものではない。


それでは英国のEU離脱が英国経済に与える影響はどうだろうか。

短期的にはポンドの下落により輸出効果が望めるものの、EU圏離脱からの資本の逃避が懸念され、また労働力不足による経済成長力の低下も懸念される。

今やかつて以上に経済のグローバル化が進んでいる。その中で内向きな理由で扉を閉ざすのが正解かどうか。 かつての大英帝国の頃の世界を律するのは英国だとのプライドを取り戻せるのかどうかが、この国が二等国になりさがってしまうかどうかの鍵であろう。



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ファイナンス入門 (18) ヘリコプターマネー

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