【第17話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

前話: 【第16話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。
次話: 【第18話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

---------------------

10年勤めていた会社が、まさかの倒産…

転職なんやらでバタバタバタバタ(←強調)しまくっていたため更新が途絶えてしまいました。

以前ほど頻繁には更新できませんが、少しずつ書いていこうと思います。

---------------------

老健での生活

老健で、父の新しい生活が始まった。

部屋は707号室。

父は簡単な健康診断(体重、身長計測等)をしに別の階へ。

私と姉はヘルパーさんにチェックしてもらいながら、生活用品をチェストや棚にしまっていく。

その後、別フロアで相談員のNさんと入所の契約。

事前に一度細かい点まで聞いていたこともあり、特段疑問に思う部分もなくスムーズに終了。


そして…

Nさん
数週間後、お父様に関わるスタッフ全員および院長(医師)と全体会議を行いますので、家族の方も出席してください
自分
やっぱり平日ですよね…?
Nさん
そうですね、土日は会議やりませんね
自分
…わかりました

私が父にできることは少なくて、介護もすべてプロの方にお任せできるんだから、仕事を半日休むくらいはやって当然なんだけど…だけど…!!

なんかもう、会社への罪悪感がすごい。

自分は独り身で、例え会社から非難やら叱咤やらされたって(されたことないけど)、自分ひとりが受け止めればよい話だけれども、仕事かどうかに関わらず立場上「代わりがきかない」人たちって、世の中にモリモリといらっしゃるわけで。

さらには、代わりがいたって周りから良く思われない環境の人もいるわけで。


あー、介護なり子育てなり、こうやって離職せざるを得ない人がたくさんいるのか、と独身者の自分は、ここらへんでようやく実感したのだった。

以前も書いたが、本当にいい上司でよかった。(会社潰れたけどね!)


家族水入らず

健診?も終わり、父と姉と3人でデイルームへ。

入院してから約1ヶ月、常に周りに人がいる状態から、ようやく「家族だけ」の時間だ。

でも相変わらず父の表情は固い。


姉と私は、とにかく父に安心してもらいたくて、こんなことを言っていた。

やっと退院できたね!ここはリハビリをするところだからね。また歩けるようになったらここも退院してお家戻れるよ。
自分
(住んでいた)家のことは大丈夫。大家さんにもちゃんと連絡して説明してるから。でも、あそこに戻るのはちょっと大変だから、リハビリ終わる頃までには、お家探しておくね。不安だったら私と一緒に住もうか!?とーちゃんと暮らすの何年ぶりだろ?笑
あんたと父ちゃんが一緒に住んでるとか想像できないわ笑

きっと、その日は来ない。


でも、それを自分自身が認めたくなくて、『父を安心させる』という理由をつけて、『自分が安心する将来』ばかりを口にしていた。

それでも父は少し安心したのか、私達の言葉に頷き、私のくだらない冗談に笑顔を見せた。

自分
またすぐに様子見にくるから、その時にリハビリの成果見せてね
わかったから早く帰れ

「わかったから早く帰れ(行け)」は父の口癖で、文字にするとちょっと冷たいが、実際はそんなことはなく私も姉も「ぐふふ、照れおって」と思ってしまう言葉だ。


この後、父に『恐怖のワガママ大王』が降臨し、私達はかなり悩むことになるし、時にはこの口癖にムッとすることもあったが、まぁ、過去は大体美化されるし、それでいいのだ。


つづく

著者のヨシザワ ハルさんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

【第18話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

著者のヨシザワ ハルさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。