【第17話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。
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10年勤めていた会社が、まさかの倒産…
転職なんやらでバタバタバタバタ(←強調)しまくっていたため更新が途絶えてしまいました。
以前ほど頻繁には更新できませんが、少しずつ書いていこうと思います。
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老健での生活
老健で、父の新しい生活が始まった。
部屋は707号室。
父は簡単な健康診断(体重、身長計測等)をしに別の階へ。
私と姉はヘルパーさんにチェックしてもらいながら、生活用品をチェストや棚にしまっていく。
その後、別フロアで相談員のNさんと入所の契約。
事前に一度細かい点まで聞いていたこともあり、特段疑問に思う部分もなくスムーズに終了。
そして…
私が父にできることは少なくて、介護もすべてプロの方にお任せできるんだから、仕事を半日休むくらいはやって当然なんだけど…だけど…!!
なんかもう、会社への罪悪感がすごい。
自分は独り身で、例え会社から非難やら叱咤やらされたって(されたことないけど)、自分ひとりが受け止めればよい話だけれども、仕事かどうかに関わらず立場上「代わりがきかない」人たちって、世の中にモリモリといらっしゃるわけで。
さらには、代わりがいたって周りから良く思われない環境の人もいるわけで。
あー、介護なり子育てなり、こうやって離職せざるを得ない人がたくさんいるのか、と独身者の自分は、ここらへんでようやく実感したのだった。
以前も書いたが、本当にいい上司でよかった。(会社潰れたけどね!)
家族水入らず
健診?も終わり、父と姉と3人でデイルームへ。
入院してから約1ヶ月、常に周りに人がいる状態から、ようやく「家族だけ」の時間だ。
でも相変わらず父の表情は固い。
姉と私は、とにかく父に安心してもらいたくて、こんなことを言っていた。
きっと、その日は来ない。
でも、それを自分自身が認めたくなくて、『父を安心させる』という理由をつけて、『自分が安心する将来』ばかりを口にしていた。
それでも父は少し安心したのか、私達の言葉に頷き、私のくだらない冗談に笑顔を見せた。
「わかったから早く帰れ(行け)」は父の口癖で、文字にするとちょっと冷たいが、実際はそんなことはなく私も姉も「ぐふふ、照れおって」と思ってしまう言葉だ。
この後、父に『恐怖のワガママ大王』が降臨し、私達はかなり悩むことになるし、時にはこの口癖にムッとすることもあったが、まぁ、過去は大体美化されるし、それでいいのだ。
つづく
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