第12話:幸せな結婚をするための秘訣
30代になってからインドに行き、あっという間に時がすぎて、私はもうアラフォー世代になっていた。
同年代の友達は、結婚していない方が多かったし、年齢や社会のプレッシャーから焦りを感じていたわけではなかったが、できれば生涯のパートナーと早く出会って、家庭を築き始めたいと思っていた。
旅先では、いろんな出会いがある。
でも、恋愛できるからといって、結婚できるとは限らない。
インドに行ってから数年たったころ、友人が言った。
「旅先だと、相手も、『今だけちょっと楽しもう』って思う人が多いだろうね」
自分がいくら真剣でも、相手は「今だけ楽しむ相手」と思っていることもある。
「結婚する気がある」ことをチラつかせながら、実は、本心でないこともある。
その見分けがつかないまま付き合っていると、貴重な時間を何ヶ月も、何年も無駄に使ってしまうことになる。
インド5年目に、彼と出会う前、私には決めていたことがあった。
幸せな結婚をするための。
できるだけ時間を無駄にしないための。
本当に自分を愛してくれる人と出会って、結婚するための。
自分との約束。
「今だけを楽しみたい人」と「本気で結婚をしたい人」を見分けるには、どうしたらいいかをよく考えての決断。
それを実践したら、「本気で結婚したい」と思っている、全く同じ価値観を持った彼と出会い、結婚することができた。
そして、ものすごく大切な宝物のように自分を扱ってくれるのだ。
それは、何年たっても変わらない。出会った頃も今も同じくらい大切にしてくれる。
彼は、「君が、年をとってシワくちゃになっても、すごく太ったとしても、変な服を着たとしても、ずーっと、僕の気持ちは全く変わらないよ」
と言ってくれる。
例えば、女性の汚いものを、たまたま見た時に、男性はもう女性と見れなくなって、恋心がいっぺんに失せたというのはよく聞く話だ。例えば、オナラだったり、ムダ毛だったり、鼻くそだったり・・・。
汚い話ですまないが、例えば、私が痰を吐いたとしても、彼は「チュ!」と、私の痰に空中キスをして、驚かせた。もちろん、笑わせようとしての冗談だが・・・。
それでも、普通は、「うわっ!」「汚い」と目をそらしたり、嫌な反応をするのが一般的じゃないだろうか。
(それくらい大切にしてくれているし、愛してくれているということの一例だが、気分を悪くさせてしまったら申し訳ない)
表面的なことで好きになったり、冷めたりというようなものは、簡単に切れる、薄いつながりだ。
どんな状況も、どんな人も、決して引き裂けない強い絆を作ること。
年をとっても、容姿が変わっても、外的条件がいくら変わったとしても、気持ちは決して変わらない。
そんな風に思える相手に出会うことができれば、一生添い遂げる相手と、安定した結婚生活が送れることは間違いない。
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