エストニアどうでしょう⑧ みるみるうちに健康回復!サウナを火起こしから全て一人で行なってみた話
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あらすじ:僕は無事安ホテルでの冷たい食事&不健康生活から解放され、Airbnbで見つけたタリン市内の格安の家に引っ越すことになった。
家に備え付けのサウナ こういう物件に巡り会えるのもAirbnbの醍醐味だ
エストニアといえばサウナだ。エストニアに限らずバルト三国やロシアや北欧など寒い場所ではサウナ文化が盛んである。
実は僕は日本に居た時はあまりサウナに入った経験がなかった。たまに銭湯には行くが、よくいく銭湯にはサウナが無かったし、暑苦しいサウナよりも湯船に浸かる方が好きだった。
しかしヨーロッパにはバスタブにお湯をはって浸かるという文化があまりないようだった。バスタブが一応あっても、シャワーを使うことしか想定されていない家や、シャワーだけしか設置されていない家も多かった。
そのせいなのかわからないが、僕は前のホテルに一ヶ月間滞在している間、少しずつ体調が悪くなって行っている気がした。特に新陳代謝が悪くなっていると思った。それで身体にも少しずつ異変が起こる事が増えてきていたのだ。日本にいる間に出来たことのないような出来物が出来たり。
そんな訳で、新しい滞在先にサウナがあったのはとても良かった。
白樺の葉 葉の部分をお湯につけて背中を叩いたりする。色々と健康に良いらしい。
夕食を終えた僕は早速サウナに入ってみることにした。早速かまどに火をつけよう。スーパーで着火剤を買ってきたので、初心者の僕でもすぐに火は着いた。マッチから紙へ、紙から薪へと徐々に火が移っていく。
これが薪木、家主イーヴォの家の壁に大量に積み上げられている。使い放題だと言われたので遠慮無く使わせていただいていた。これに火が移ると着火成功となる。
薪に火が移る
ーーーそして薪が勢い良く燃え始めた。
勢い良く燃え始める薪 かまどの窓を閉めるとさらに音を立てて火の勢いが増す
あとは室内が暖まるまでしばらく待つ。サウナ室全体を暖めるのに十分な時間は、一般的に火を入れてから30分という人から数時間という人まで様々だ。その間薪をくべ続けるので、長時間暖め続けた場合の室内は高温になる。僕はサウナに入るときはだいたい暖まるまで最低1時間は待っていた。
かまどの上の石
かまどの上に石が置かれている。かまどに火をくべることでこの石が加熱される。そしてアツアツに焼かれたこの石に水やお湯をかけることで蒸発した暖かい水蒸気が室内に広がっていく。
ジュワ~っと大きな音を立て、熱を帯びた水蒸気がサウナ室の上方に広がって行くその瞬間がサウナ体験開始の合図である。
徐々に温度と湿度が上がっていく。焼けた石に水をかけるとすぐに湿度計の針がダイナミックに上がっていく。
温度が上がっていく。湿度は高いほどサウナに入っている気がすると僕は思う。焼け石に水をドンドンかける。
「焼け石に水」という言葉は日本では「無駄なことをする」ことの例えだが、ここエストニアでは文字通り「サウナに入る」ことを意味する。
どんどん温度と湿度が上がってきた。温度計を見ると温度85度 湿度95%以上。
ついにサウナの完成だ。
僕は最上段に座った。一番温度が高いのが最上段だからだ。
汗がしたたり落ちてくる。もはや湿度が高すぎてそれが汗なのか水蒸気なのかわからないけど、ほとんど汗なのだと思う。
まだまだ頑張れる。一ヶ月のシャワー生活で悪化した新陳代謝を再び活性化させよう。老廃物を体外に排出しよう。
さらに10分間、僕は我慢してサウナ室にとどまり続けた。
とても暑い。地獄とはこのことだと思う。でもエストニアのサウナは熱さに対する我慢と共にあると思う。
もう限界だ!僕はサウナ室を飛び出た。同時にサウナ室の熱気も一緒に室外に飛び出てくる。
冷水のシャワーを浴びる。本当に身体が芯まで暖まっているときは、冷たいシャワーはこんな感じがするのか。
身体の表面は冷水で冷えているが、そのすぐ真下の体内には熱は保たれたまま。
身体の表面に温度の全く異なる2つの層ができたような感じがする。
そして表面の温度が下がったら水分補給をしてまたサウナ室に入る。
暖めるのと冷やすのを数回繰り返すのが一般的な入り方らしい。
その後、3回の暖めて冷やすというプロセスを経て、僕はエストニアでの初めてのサウナ体験を終了することにした。
シャワーを浴びて身体を拭いたら廊下にある木製のベンチに座って身体を冷ます。
高温のサウナで暖められた身体はなかなか冷めることはない。
庭に通じるドアを開ける。夏でも涼しいエストニアの風が入り込んでくる。
僕はエストニア人らしくしばらくして落ち着いてからビールを飲んだ。
サウナに入ったらサクビール。
エストニア人のサウナの時の定番の組み合わせだ。
サウナに入ったことで少しは僕もエストニア人に近づいたかな? 暑い身体に心地よい冷たい風を感じながらそんなことを考えていた。
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