母がアルコール依存症と気づいてから10日間地獄を見た話。6日目。

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眠れる森の母


よく寝る。

これまで削られていた睡眠時間を補填するかのごとく、寝る。


これまで母から目が離せなかった私たちは少し安心した。




規則正しく薬だけは飲ませた。

忘れないように薬箱も作った。

曜日と朝、昼、晩と区分けした薬箱で飲み忘れを防ぐことができる。


疲れもピークに達していた私は寝ている母を見てとても不安になった。


もしこのまま回復せずに、

計算が出来ず落ち着かず幻覚が見えるような人と生活するのは大変だ、と。



誰か助けて…


母には妹が一人いる。

遠くに住んでいる。私から見ると叔母だ。


なんとか力を貸して欲しくて、叔母に電話した。


叔母
あれだけ”たため”って言ってた商売続けてるからそうなるでしょ?


全く相手にしてくれなかった。


母がとてもひどい状況なんだ、と訴えたのだが。

私の伝え方がイマイチだったのか?




祖母はさらに話にならなかった。


2日前に母が倒れて救急隊が家に来た時のこと。


祖母はそれを見て笑っていた。

祖母
とうとうキチガイになった。

高笑いだった。笑いが止まらなかった。

その光景は異様だった。


わたし
あんたのせいでこうなったんでしょうが!(怒)

こんな時に高笑いなんて、死ねばいいのにと思った。


祖母は正常な人間じゃない。


もう家族全員がおかしかった。


このまま回復しなかったらどうしよう。

これからの生活と母のことを思うと不安だらけだった。


おかゆを食べたい


母がむっくり起きて、お米を煮詰め出した。

食欲が出てきた!

とっても嬉しかった。


食べるのはほんの少量だが、今まで何も食べてなかったから大進歩だ。


しっかり寝て、食べる。

人間らしい生活サイクルに戻りつつある。

心から嬉しかった。


薬を飲むと眠くなる母はそのまま床についた。


身内には誰も頼る人がいない不安にはかられたが、

今日の母は平穏な1日を過ごすことが出来た。


ただ静かな時間が流れたのはこの日だけだった。




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