第14話:私は宇宙人!?
「あなた、この地球の出身じゃないわね」
世界中を旅していると、面白いことに出会う。
いろんなことがあったが、その1つは、全く異なる場所で、3人の人物から共通して言われたあることだ。
それは、「あなた、この地球の出身じゃないわね」(You are not from this planet.)という言葉。
一人目は、南インドで台湾人の男性から。
二人目は、カナダで中国人の女性から。
三人目は、ムンバイで、ブルガリア人の女性から。
一人目は、私が南インド、タミルナドゥ州で、瞑想などの修行をしていたときのこと。ある日、毎日外国人がたくさん集まる、瞑想会に行こうとしていた。すると、門の前にいた男性が、「もう今日は終わったよ」と教えてくれた。
「ねえ、あなたにメッセージがあるんだけど」その男性は私を呼び止めた。
それからいろいろ話すようになり、彼が習っているヒーリングの実験台になったりした。
その数日後、私や他の友人たちを集めて、話をしたいことがある、とその男性は言った。
「今朝、メッセージを受けたのだけど、私たちは、宇宙から地球に何かの技術を教えにきて、地球人に技術だけ奪われて、最後に殺されたらしいんだ。京子、君は、芸術ディレクターとして違う星からやってきて、地球に貢献していたんだよ」
と、神妙な面持ちで、語った。
その場にいたみんなは、半信半疑だった。
その後、日本に帰国した私に、その男性から台湾へ招待された。チケット代も、滞在費も全て負担してくれた。
シンガポール人で、宇宙語を話し、CDも発売したり、ワークショップを世界中でやっている男性が、宇宙人時代の私の兄だと言われた。確かにその方は、日本でも活躍してらっしゃるようで、人気があるようだった。
台湾人の男性は、そのシンガポール人の宇宙人活動家をプロデュースしていて、ワークショップを切り盛りしていた。CDもいただいて聞いてみたが、宇宙語を使って不思議な歌を歌っていた。男性的でもあり、女性的でもある声で、つかみどころがない。中性的な美しい男性だった。
私は、好奇心をそそられつつも、何か完全にそっちに行ってはいけないような怖さもあった。
私は、20代のころ、サルサを教えたり、コーチングにダンスを組み合わせたオリジナルのプログラムなどを作って六本木ヒルズで教えたりしていたが、
台湾人の男性は、そんな情報は全く知らないのに、「あなたには、ダンスで人を癒す力が備わっている。それは前世で、宇宙人だったころからの才能だ。天女のようなダンスをして、人々を癒している画が見える」と言って、私を驚かせた。
そして、台湾でまた別の台湾人の女性を紹介され、ヒーリングをすると言われた。
その女性は、こう言った。「あなたの魂が私の体の中に入って踊ります」
そのダンスは、私がこの世で見たことないような美しいダンスだった。
ジャズダンスとか、ベリーダンスとか、社交ダンスとか、どんな型にもはまらない美しいダンスだった。
「あなたの魂がこう言って怒ってますよ『彼女(私の事)は、外ばかりを見て、内側を見てくれない!私(魂)はこんなにもダンスで表現できるのに!こんな女性的な動きも、こんな力強い男性的な動きもできるのに!』」
と言いながら、うっとりしてしまうようなダンスを目の前で踊ってくれた。
私はなぜかわからないが、そのダンスを見た後、次の日くらいに、音楽をかけられると同じようなダンスを踊るようになっていた。
「しかし、前世で、あなたはこの与えられた才能を人々の幸せのために使わず、男性をそそのかすために使ったのです・・・」
そうだったのかあ~~!穴があったら入りたい心境。
彼らは、全くの親切心で1週間私の面倒を見てくれた。
そこから、何か私から奪おうとか、何かの団体に入れとか、そういったことは全くなかった。
飛行機代も、滞在費も全部負担してくれた上で、こんなに親切にしてくれた理由は、私も未だによくわからない。
1週間滞在後、私は日本に帰った。でも、土産話を父にすると、とても心配された(そりゃそうだろう)。
ヨガを通信講座ですでに教えていたのだが、なぜかその月は、ヨガの新規申込者が減っていた。
父は、「ヨガに戻りなさい。宇宙人がどうのこうのというのは早く忘れて」と言った。
確かに、ヨガの道を外れてきたから、申込者が減ってきているというのには納得だった。
自分がヨガのプラクティスをしばらく休んだりすると、なぜか新規申込者も減ったりと、
リンクしていた経験が過去にもあったからだ。
そして、私は宇宙人の件は、心の底にしまいこんだ。
ところが、数年後、宇宙人の件は、私を再び追いかけてきたのだ。
私は、1か月間、カナダの友達の家に滞在していて、ふらっとパワーストーンのお店に入った。
大きなフロアには、数多くのパワーストーンが並べてあった。
色んな石をじっくり見ていたら中国人のオーナーの女性が近づいてきて、突然こう言った。
「あなた、この地球の出身じゃないわね」(you are not from this planet.)
何の脈絡もなく、突然彼女はそう言って、私はひっくり返るほど驚いた。
「えっ!なぜです?」
「だって、耳を見ればわかるわよ」
彼女は余裕の笑みを浮かべて、穏やかにそういった。
彼女はいったい、何を知っている人なんだろう。
でも、なぜだか、一緒にいると、安心するような感覚を覚える人だった。
私は、友達の家に帰り、起きたことを思い出していた。
「耳を見ればわかる・・・?
えっ!でも、今日は髪を下していて、耳は見えてなかったはずなのに!」
そのことが気になり、私は再び、そのお店を訪ねた。
「この前、あなたが言ったことだけど・・・私、あの時、耳を出してなかったですよね?」
すると、また彼女は、余裕の笑みをもってこう答えた。「見なくたって、わかるわよ。ふふふ」
その日、私は以前から欲しかった、モルダバイトという石を買った。
宇宙から隕石が落ちてきたときに、衝撃でできた石だ。
彼女は、一緒にいると心地いい人でまた会いたいと思ったが、それ以来、連絡は取っていない。
そして、また宇宙人の件はすっかり忘れた、1年後のこと。
今度はムンバイで、突然こう言われたのだ。
「あなた、この地球の出身じゃないわね」(You are not from this planet.)
哲学のコースのクラスメートで、自称サイキックという、ブルガリアの女性だった。
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