横浜大洋ホエールズとともに生きていく 【其の五・~永遠番長~三浦大輔】

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ネット配信された三浦大輔引退記者会見生中継をを見終えたこともありますので、今回は番長にスポットライトを当てます。いや、当てさせてください。


SINCE 1992 実に4半世紀に渡る現役生活。


それを1球団で終えること。


FA制度が確立され勝てる球団に行く自由もあり、成績が出なければいとも簡単に戦力外通告になる現状のプロ野球界では、とても稀有なことだと感じています。


FA宣言し、阪神移籍の話が湧いて出たのは2008年のこと。


条件面も含め気持ちはかなりぐらついたはずです。でも横浜を去ることはしませんでした。


「三浦大輔の原点は何かと考えたら、強いチームを倒して勝つこと。強いチームに勝って優勝したい。」


これが番長の答えでした。


他球団なら楽に200勝している。そんな揶揄も飛び交いました。


個人的には、もし他球団に行っていたら25年もの現役生活は続けられなかったのではと思っています。


ホエールズ、ベイスターズで築き上げたからこそ、172勝という勝ち星により重みを感じています。


いや、もう一つ星を積み上げるチャンスはまだ残されていますので173になっているかもしれません。



三浦大輔=エースというイメージはやはり98年のV戦士が散り散りになってからかなという印象があります。


野村弘樹、斎藤隆、川村丈夫そして佐々木主浩というメンバー達がいたことで、番長一人の肩にチームの全てがのしかかるということはなかったはずです。


しかし、チームのメンバーは尽く入れ替わり、監督も短命政権ばかり。


そんな苦しいチーム状況の中で番長だけはじっと耐え続けていました。


小宮山、吉見、ドミンゴ、土肥、門倉、寺原、工藤、清水直etc


毎年ローテーションの柱が定まらない中、三浦大輔の名前だけは常にそこにありました。


移籍組のベテランに頼らざるを得ない。


若い先発陣がなかなか芽を出さない。


例え1年目はよくても2年目につながらない。


いつまでも三浦大輔がエースと呼ばれ続けることが本当にチームのためによいことなのか。


自分が引っ張らなければいけない、でも同時に後進を育てなければいけない。


2014年に投手コーチ兼任を受諾したのはそんな思いからだったのではないでしょうか。



2015年の春。フルカウントのインタビューで番長はこんな言葉を残しています。


「思い描いたような状況になってきているかなって思う。」


「何年か前に言ったことがあると思うけど、俺が5番手、6番手になるようにならなきゃだめだって。今までは、若い選手がなかなか出てこなかったけど、今シーズンは、高崎、三嶋、山口、井納と活躍している。そのような状況になってきているからね。」


引退記者会見では「8月に入っても1勝もできなかったこと」が引退を考えた理由の一つだと語っていた番長。


自分の思いだけを前面に出してよいのなら、来年もきっと一軍マウンドを目指して現役を続けていたことでしょう。投げたい気持ちはまだまだ燻っているのですから。


しかし、プロ野球は一人ではできないチーム競技。我を通すことだけが全てではない。チーム全体を考えることもまた大事なこと。


個人とチームという葛藤の中で「引退」という決断を下した番長。会見の終盤では少し目に光るものもありましたが、表情はどこかスッキリしていた。私の目にはそんな風に映りました。


会見の中で終始一貫していたのは、ファンのことを第一に考えてプレーしていたことでしょうか。


「ファンの皆さんの声援が力になった」

「ファンの方が勝利を喜んでくれることでまた自分も嬉しくなった」


どんなに弱くても、とことんまで叩きのめされても、泥沼にハマっても、それでも信じてついてきてくれたファンに対する最大級のお礼の言葉。


横浜ファンをずっと続けていてよかった。番長の言葉であらためてそれを思い知らされた感があります。


公式サイトには「永遠番長」という言葉が刻まれました。


永遠番長が与えてくれた数多くの感動に報いるために、私ができること。


それは「永遠横浜ファン」でい続けること。


うん、これしかないよね!


番長、ありがとう!そしてお疲れ様でした!


イラスト/ ©2016 つばめとさくら http://www.tsubametosakura.com

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