第3話 アルコール依存症 ①【ドラゴンロード〜千葉から祈りの島五島列島へ 神に導かれた奇跡の旅〜】
アルコール依存症①
彼は飲まなければ、とてもいい人でした。
飲んで暴言を吐き、
そして
「お前が中絶さえしなければ!」
そういって大暴れすることもよくありました。
でも
「彼の闇は私が救ってあげる」
そんな気持ちもあったし
飲まなければとってもいい人だったし
私は夫を支える良き妻になりたかったし
そうして、どんどんDVのスパイラルにはまっていきました。
結婚して、1年くらいたったころ
私たちは千葉にある夫の実家の食堂を継ぎました。
もともと商売に憧れ
商売人の女房に憧れ
大変なことはたくさんありましたが
「食堂の女将さん」は私にとって天職でとても楽しかったです。
朝から夜遅くまで働きましたが
商売はうまくいっていて
お休みの日は2人であちこち出かけ
おいしいものを食べて
海外旅行にも
友人たちとキャンプにスキーに温泉にも
よく出かけました。
お店の近くに広いルーフバルコニーのある新築マンションを購入し
何不自由なく暮らし
とてもうまくいっていました。
夫がお酒さえ飲まなければ。
お店も二日酔いで度々休むことがありました。
私は最初は料理ができなかったのですが
お客様に迷惑をかけてはいけないと料理を覚え、慣れないながらも市場へ買い出しに行ったり必死でお店を守りました。
そんな風にがんばっているのに
がんばればがんばるほど逆ギレされ
夜中、ベロベロになって帰ってきて
暴言を吐かれ
ときには暴力も振るわれ
すきを見て逃げ出し
車の中で夜を過ごすこともよくありました。
でもこのときの私にとって
酒に溺れ
闇に溺れる
どうしようもない夫を支えるのが生きがいでした。
そして
苦労に溺れることが
私にとって安心のできる居場所でした。
20代のときはそれでなんとかやっていましたが、30歳を過ぎて夫の問題行動はますますエスカレートしていきました。
私はボロボロになり
夫は鬱状態がひどくなり
なんとか病院に行ってもらったら
「アルコール依存症」と診断され
3ヶ月入院することになりました。
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