キミの記憶に残るなら

著者: 矢野 サトシ

探しものをしていた


クローゼットにあるダンボール箱を開けていたら…賞状が4つ

少年野球のときの「最優秀選手賞」と「優秀選手賞」

地元の自治会がらみで市役所からいただいた「功労賞」が2つ


奥さんに見せた

サトシ
見た?
アキコ
見た
サトシ
よし…これ、捨てるんだ
アキコ
そうなんだ

こんなちっちゃな勲章を大事に取っておかなくてもいっかぁ…って


誰かに自慢するわけでもなくて

自慢するほどでもなくて

またクローゼットの奥で眠らせて

探しもののたびに目に留まるだけ


そこにしがみついているような自分がちっちゃく感じたんだ

だから奥さんの脳ミソに証拠を残して


破って捨てた


探しものはまだ見つからない

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