友達が自殺未遂しました、たかが婚活で。~エピローグ 完結編~

1 / 4 ページ

前話: 友達が自殺未遂しました、たかが婚活で。〜後編〜
次話: 間違いだらけの婚活 〜 オトコとオンナの無意味すぎる1時間半〜

最終回《ここまでのあらすじ》

奈々子はシングルマザーの母に代わって、年の離れた小さな兄弟たちに世話をしてきた心の優しい性格の女性。若い頃よりずっと結婚願望があったが忙しさもあって縁がなかった。

30歳をすぎて焦り始めた奈々子は、ド派手女社長のいる結婚相談所に入会する。しかし自分の条件検索で申し込んだ相手とは全くお見合いが組めず、結局条件外の男性とばかりお見合いを勧めてくるカウンセラーに桃子は不信感を抱くように。次第に自信喪失、そして焦りとストレスで鬱になる奈々子、性格もすっかり刺々しくなってしまった。

そんな中で、とある婚活サイトを偶然見つけた奈々子は、さして期待もしていなかったが、《心と心のマッチング》という人間の心のつながりを重視した出会いシステムに共感し登録する。そして、サイト上で、とある男性と出会うが、これまでの男性とは違い自然体でメールのやり取りができ、奈々子の心は、わずかに癒されていくのだった。

そして、ついに結婚相談所の2回目の更新で、またなけなしのお金を支払う際に、ついに奈々子は不満が爆発してしまう。その時、奈々子は34歳目前だった。







そこそこ知名度もある結婚相談所に高い料金を払って入会したのに

なぜ奈々子は成婚どころか交際すらできないのだろう…

ここまで読んで頂いてる皆さんも同じ?マークが浮かんでいることでしょう。


結婚相談所の成婚率はそれぞれ格差もあるにしても

ある調査では10パーセント以下と言われています。

会員10人のうちたった1人です。


またこの中の8割以上は入会して2年以上経過した会員です。



私の経験上、付け加えるのなら


この成婚率はあくまで成婚退会した数であって

中には、プロポーズはあっても入籍していないカップルが多くいます。

つまり成婚退会した後、結婚をに至らなかったカップルもいるということです。


そう考えると、奈々子がなかなか縁をつかめないのも無理ないのです。


確かに、初めて奈々子を一目見た時

目を惹くほどの美人とは思いませんでした。

逆に地味で表情に乏しく大人しい女性という印象でした。


でも、彼女と次第と打ち解けていくうちに

彼女の無垢さ優しさは女性として

見習うべきものだと思いました。


プロフィールと写真のみでは

彼女の良さが伝わりにくいのでしょう。



彼女の不満の矛先が結婚相談所へ

向いたのは致し方ないと思います。


この結婚相談所は彼女の良さを分かろうともしていません。

結婚相談所は会員をいかに素晴らしい女性なのか精一杯PRすべきです。

言い方は悪いですが、会員は皆、相談所で売り出し中なのですから。


それを初期費用を払いと契約が済んだら

それ以降、放ったらかしたり

会員の条件を狭めたりするのはいただけない!

なるべくセレブ婚の実績を作ろうとしているのかもしれませんし

セレブというのが売り文句である以上

条件をつり上げたいのかもしれません。


最優先にすべきなのは実績ではなく

会員一人一人の幸せです。

そして末長い結婚の幸せになるためには

条件のみで相手を決めることではないのです。




2回目の更新を済ませ帰宅すると

猛烈な後悔と屈辱感が襲ってきた。


私、何をしたの?

確か、サロンの中で暴れて泣いて…


最低だ

みじめすぎる

結婚できないからって

結婚相談所で暴れるなんて…


冷静になってから、結婚相談所にお詫びの電話を入れると

名乗った途端、受話器の向こうがザワザワし出した。

きっと今日のことで私のことを

要注意人物だとマークしたに違いない、奈々子はそう確信した。


情けなくて涙が出てきた。

朝から何も食べていないけど

食欲などなかった。

気持ちを落ち着けるために薬だけ胃に流し込んで眠った。


起きると、もう夜中だった。

灯りをつけ無意識にパソコンの前に座って

相談所の会員専用ページをチェックした。


案の定、お見合いの申し込みを受けてもらえていない。


奈々子はため息をついて

画面を切り替えていった。


見慣れた画面で手を止めた。

《心とココロのマッチングサイトへようこそ》


心と心のつながりを大切に考案された

今までにないシステムだというこの婚活サイトに

特別期待もせず登録した奈々子だが

彼女の紹介文を見てメールをくれた1人の男性と

この1ヶ月ほど毎日のようにメールをやり取りしていた。


全ての会員の年齢も顔もふせている。

セレブに目がない女性が聞いたら卒倒するかもしれないが

職業も年収も公表されない。

ただし本部の方ではしっかり身元を確認しているので

既婚者や無職の登録者はいないらしい。


最初から条件で絞ることなく

先入観なしに心の合う人をじっくりと見つけ

末長く心の通いあうパートナーと幸せになることが目的だ。


奈々子は出会い系サイトにも失望と不信感があったので

期待もせず始めたが、その男性とは不思議と

思っていることが共通していたり考えも似ていた。


男性の名前は ユタカさんといった。

もちろん仮名だと思う。

顔も年齢も知らない、でも住んでいるところだけは

著者のYoshida Maikoさんに人生相談を申込む

著者のYoshida Maikoさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。