突然の望まない「さよなら」から、あなたを守ることができるように。

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▼祈り




祈りを込めて、僕はこの文章を書く。


この文章を読んだ人が、交通事故でひどい目にあったりしないように。

あるいは、誰かを交通事故でひどい目にあわせたりしないように。


たとえ、明日事故に遭うことを何らかの存在に決められかけている人がいたとしても、僕がこの文章で、その宿命を祓う。それくらいの覚悟で、僕はこの文章を書く。だから、読んだ人は車を運転するとき、頭の片隅でこの話を思い出してほしい。


あなたが無事に、家に帰ることができるように。

家族と変わらぬ日常を送ることができるように。

食卓で温かいご飯を食べることができるように。




突然の望まない「さよなら」から、

あなたを守ることができるように。




▼始まりと終わり




この文章は、母親の再婚した旦那さんであるKさん(五十一歳)が、二〇一六年一月二十八日の午後五時十分頃、車同士の出会い頭の交通事故で死んでしまったところから始まり、僕がこの文章を書き終えることになった二〇一六年十二月二十八日に終わる。




▼表参道




二〇一六年一月二十八日、夜。


僕はいつものように表参道のオフィスにいた。ウェブディレクターをやっていた僕は、とある新規事業を始めていて、同僚と毎日寝る暇も惜しんでサービスのローンチのために働いていた。


みんなの読んで良かった!