看護師として生きる

前編: 看護師として生きる
後編: 看護師として生きる

精神科実習②。



次は女子閉鎖病棟。



男子閉鎖病棟で詳しく説明を受けたから



女子閉鎖病棟は


「じゃ頑張って。」


と、ポンと病棟に出された。



『ガチャリ』



ナースステーションに鍵がかけられた。


もう何回も出入りは出来ない。


なぜか精神科の患者さんは

ひたすら歩いている。

何人か病棟の廊下を行ったり来たり。


邪魔にならないように

よけようと思ったら、


当時の私より年上だと思われる女性が

私の目の前でピタリと止まり、


じーーーーっ


と覗きこむように見ていた。


距離20cmもあるかないか

目を離さない。

瞬きもない。


沈黙。


ど、

どうして良いかわからず

腰が引けて


「…どうしました…?」


と言うと、


スッとよけて

また歩いて行った。



はぁぁぁぁ…。



も、戻りたい。

ナースステーションに戻りたい。


しかし、そんな事が許されるわけもなく。



そして、精神科の患者さんは

タバコの吸う量がすごい。


私の実習時は

まだ禁煙とかうるさくなく、

病棟内でタバコを吸っていた。


ナースステーションでタバコを貰い

火も付けて貰って


ナースステーション前に設置してある灰皿の周りで


タバコタイム。


数人患者さんがいたので、



「こんにちわ。」



と声をかけ、

患者さんの輪に入って行った。


「こんにちわ~。学生さん?」


と、ここにいた患者さんは笑顔で話してくれた。


「どこから来たの~?」

「いくつなの~?」

と言われ話しも続いたのでホッとした。


その中の患者さんの1人が、

「私の若い時の写真見て。」

と言って来て部屋に案内された。


あー、部屋に行っちゃいけないのにな。


と思ったが断れない。

何て言っていいのか

言葉が思いつかない。


どうする事も出来ず部屋まで行ってしまった。


棚から箱を持って来て

中を開けると沢山の写真があった。


「これは○○の時の写真。この頃私学校行ってたでしょー?これ○○さん。○○さん、優しい人だったよねー。」


あれ?

これ私が知ってる前提で話してる感じ?


知らん、知らんぞ。


いやでも何て返事する?

はいって言っとく?

いや、

そうなんですか?の方?

どっち!?

どっち!?




「ふん、ふん。ふーん。ふん、ふん。」


もう適当な相づちが精一杯。

たまに愛想笑い。


『早く終わって〰!』


と心の中で願った。



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看護師として生きる

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