家族のコミュニケーション-その8 たたかれる妻―その2
先回は家庭内暴力の主な原因となっている、欲求不満について考えました。
もう一つの大きな要因はアルコール依存です。今回はその点を考えてみませんか。
■アルコール―原因?
妻を叩く夫は大抵の場合,アルコールを飲んでいます。
一調査は次のような結論を出しています。
「例えば,家庭内で暴力的になる者たちの六割は,必ずといってよいほど
アルコールを飲んでいた」。
ワシントン特別区の緊急センターの所長によると,妻がたたかれる事件の八割には
アルコールがからんでいます。
しかし,アルコールが本当に原因なのでしょうか。
多くの場合に,アルコール入ると暴力が出やすくなるのが現状です。
飲酒と妻をたたくこととの関連について,心理学者のレノール・ウォーカー博士は
こう語っています。
「それは言い訳として用いられるかもしれないが,
直接の原因や影響力ではないようである」。
ここで聖書を見てみましょう。アルコールに関してなんと述べていますか。
鋭い洞察力をもってこう述べています。
「ぶどう酒はあざけるもの,人を酔わせる飲料は荒々しく,
それにより迷い行く者はだれも賢くない」。(箴20:1)
アルコールには自制心を失わせるきらいがあり,その結果,人がばか騒ぎをしたり,
抑制力を失ったりするのを見てこられたのではありませんか。
飲酒によって日頃おとなしい人も怒りやすくなることも分かっています。
気持ちが大きくなり、何をしても良いとさえ思うほど自制心を失ってしまう人もいます。
ですから,欲求不満を持つ夫や,妻に対して怒りを覚えた夫が
酒を飲むようになると,その人は乱暴になりやすくなります。
この問題を調査した後,リチャード・J・ゲレス博士はこう報告しています。
「酒飲みは,酔っている期間を,自分の行動に対して責任を負わなくてもよい,
“空白の時間”とみなしている。また,アルコールは言い訳になることもある。
……家族内に問題はないが,悪いのは“魔の酒”である」。
思の疎通か,げんこつか
『イマドキ夫婦白書2016』から
夫婦の1日の会話時間は?30分以下40%1時間以下25%
夫婦の1日の会話時間は30分以下の家庭が40%も。
とくに平日は、話す時間がほとんどないようです。
4時間以上という人は「家族みんなで話している時間も含む」とのこと。
会話不足が、夫婦の様々なトラブルの原因につながることもあるようです。
皆さんもご存じの通り,暴力、肉体面での虐待に不満のはけ口を求める配偶者は,
ほとんど大抵,意思の疎通に関して重大な弱点を持っていることも分かっています。
口で言えない、口では負けるので暴力で従わせてやろうと言う訳です。
そうした夫婦は,嫉妬心,孤独感,不安,そして恐れなどの強い感情をも含め,
自分の感情を口で表現することが下手です。また苦手です。
通常、頭の中で考えをまとめてからでなければ、
人は自分の感情を口から出せません。出てくるまで時間が掛かるのです。
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