家族のコミュニケーション-その18 “だんまり戦術”を回避する
大きな問題が起こったわけでもないのに、表面的な平和を求めて、
口を聞かない事があるかも知れません。
“だんまり戦術”といいますが、何の解決にもならない戦術です。
戦術というからには、戦いに勝たなければならないのに、
だんまりでは何も成し遂げません。
◆◆なぜそうなるのか◆◆
◆報復。
ある人は,仕返しにだんまりを決め込みます。
例えば,妻が夫に内緒で高価な洋服を買ったとします。
そのことを知った夫は怒り,返してこいと言います。
妻は,逆切れで口を聞かなくなります。
「傷つけられたから,お返しよ」と言わんばかりです。
◆相手を操る。
人を自分の思いどおりにしようとするために
だんまりを決め込む人もいます。
私は機嫌が悪いのだと言わんばかりの“だんまり”で
人をコントロールしようとします。
夫が“だんまり“を決め込むと妻はあきらめ,
自分の言うとおりにするだろうと考えるのです。
“だんまり”が益になる場合もあります。
口論がヒートアップした時に少し間を置くなら,
頭を冷やすことができます。
そのような無言の時間(だんまりの時間)は益となるでしょう。
「黙っているのに時が」あると聖書は述べています。
しかし,報復や相手を操るために“だんまり戦術”を使うなら,
争いが長引くだけでなく,互いに対する敬意も薄れてゆきます。
どうすればそうした事態を回避できるでしょうか。
◆◆どうしましょうか◆◆
◆“だんまり戦術“には一時的な効果しかない。
確かに,口をきかないことでうさ晴らしになったり,
配偶者に言うことをきかせたりできるかもしれません。
しかし,愛することを誓った相手に,そのような接し方をすべきでしょうか。
もっとよい方法で争いを解決できるはずです。
◆識別力を働かせる。
刺激的で攻撃的な相手にいちいち反応しない事です。
そのためには相手の考えを識別する必要があります。
愛は「刺激されてもいら立ちません」。と言う言葉があります。
相手に対して愛や敬意があれば、刺激されてもいら立って、
“だんまり”になることはありません。
「あなたは全然聞いてくれない」とか,「君はぐずだね。いつも遅い」
といった感情的な言葉に,過剰に反応しないようにしましょう。
相手がどんな気持ちでそう言うのかを識別するようにします。
例えば,「あなたは全然聞いてくれない」という言葉は,
何かを聞いてほしいと言うのではなく、「さみしいわ」と言っているのです。
怒ることに遅い者は識別力に富み,短気な者は愚かさを高めているのです。
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