受験学(12)

著者: キョウダイ セブン

受験学(12)

 第十一章

  「ガリレオ」の中で、湯川先生はいつも言う。

「仮説は実証されなければ、真実ではない」

  学問、科学というものはすべからくそういうもののはずだ。「受験学」というからには、主張に実証が伴わなければならない。

  たとえば、「私は英語ができる」を実証するにはどうすればいいのだろう。私の実証方法は、英検1級や通訳ガイドの国家試験であり、アメリカでの教師経験であった。

  「数学を指導することができる」という主張の実証は、京大を受けて成績開示をすることだった。

  京大の成績開示。

  「私のアドバイスどおりにやってもらうと、京都大学に合格できる」

  を実証するには、合格実績を出すしかない。私は名古屋の大規模予備校で勤務している時に、実証の方法が「駅前ビルを建てる」「有名タレントを使ってCMを流す」という状況に疑問を抱いていた。

  同僚の講師も、おかしな服装や髪形で生徒に媚びていて、「バカか」と思っていた。だから、塾や予備校業界はあやしい業種と思われるのだ。健全な職種と認められるには、まともな実証が必要だ。

2016年度
 京都大学「医学部」、京都大学「理学部」、大阪大学「人間科学部」、名古屋大学「経済学部」、名古屋市立大学「医学部」、神戸大学「経済学部」、御茶ノ水大学「理学部」

  もちろん、選択は生徒の方や保護者の方がするわけで、「アニメで宣伝しているから、あの塾」という選択をされる方もいるだろうし、そういう方を否定するつもりもない。

  お蔭様で、ネットを通じて「通信生」を募集したら北海道から九州まで応募があり、合格者も増加中だ。地元の優秀な生徒の占有率は、実は自分でも驚いている。

  四日市高校には、「いなべ市」の5つの中学校はどこも毎年1人か2人しか合格できない。現在、四日市高校の2年生は5名在席している。他に、桑高、川越、暁6年制といった進学校から来てもらい高校生クラスは常時満席だ。

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