④幼き日の傷が残したもの…

前話: ⑤幼き日の傷が残したもの…
次話: ③幼き日の傷が残したもの…

書いているうちに、次から次へと様々なことが思い出されてきた…。


よく私は置いて行かれた…

小学生1年の時、学校から戻ると門に、珍しく鍵がかかっていた。


隙間から家を覗くとまだ明るいのに雨戸が…門の外からおかあさん~と呼んでも、家はし~んと静まり返っていた。


門の前で座り込み途方にくれていると、向かいの家のおばちゃんがやって来て、『今日はウチに泊まるの!帰りが遅いから、皆んなは旅行出発しちゃったよ~!』


その日家族旅行に出掛けるなどとは、何も聞かされてなかった私は、呆然としながら、帰ってくるでしょ?とすがるように聞くと『帰って来ないよ~旅行だもん、ウチで2つ寝ないと…』…


その日私は、学校帰りに、レンゲを摘んで首飾りを作るのに夢中になり、かなり遅くなってしまったのだが、まさか旅行に置いてきぼりになるとは…


明らかに迷惑そうなおばちゃんの家に上がり、身の置き所がないよ~な、不安な気持ちとショックで、出された夕飯も手を付けられず、ますますおばちゃんを不機嫌にしてしまった。



結局さすがに気になったのか、予定より1日早く家族は戻って来た…。


そして

ある日曜日、私はたっぷり寝て目覚めると、父母も妹も居なかった…


散歩でも行ったのかな?と思いつつ、テレビを見ながら待った…


いつまでたっても、誰も帰宅せず、そのうち私はお腹がすいて来た…

何か食べ物と冷蔵庫を開けようとすると、空かない…鍵が…


そう、家の冷蔵庫は、鍵が掛かるのだ…。


私が母の留守中小腹がすき、冷蔵庫の中にあったハムを二枚食べてしまった事があり、母は激怒して『うちは、泥棒猫を飼ってる!』と激しく私を叩き、すぐさま冷蔵庫に鍵をつけさせたのだった…。


夕方になり、ますます空腹になった私は、何処かに何かないか…

といつもお煎餅などを入れている缶を見つけた。

やったぁ~とドキドキしながら、硬い缶の蓋をやっと開けると、割れた小さな揚げ煎餅の欠片が缶の底に転がっていた…


ガッカリしたが、それを少しずつ食べた…

美味しかった…。


8時を過ぎた頃、父母と妹は沢山の荷物を抱え、バタバと帰って来た。妹の日本舞踊の会に行っていたのだ…。


帰るなり折り詰めの弁当を広げ、舞台のスライドを眺めて沸き立つ皆を見ながら、私もお腹空いたから、食べていい?…と聞いた…


精一杯の恨みを込めて…

母は無言で折り詰めのひとつを、前に押しやった…


続く

続きのストーリーはこちら!

③幼き日の傷が残したもの…

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。