癌で胃袋を失い生きる希望を失いかけた男が、一夜にして元気を取り戻した物語

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「残念ながら、問題ありです。」


私より、5つ程年上の女医であった。


メガネの奥の目からは、感情が何も感じられなかった。



残念という言葉を使いながらも、

残念そうではなく、

深刻なことが起こっている風でもなく、


ただ淡々と言葉を並べているように感じた。



だからなのだろうか、

私の方も深刻な事態であるような気がしなかった。




健康診断を受けたのは、2011年9月の初旬。

脱サラして、ほぼ10年、健康診断を受診してこなかった。



妻からは、毎年、再三再四の催促を受けていた。


「こんなに健康なのに、病気なんて、あるわけないじゃん。」


「だから、健康ってちゃんと証明するために行ってきて!」


そして、ついに観念して受けた健康診断。



バリウムの検査で、

「少し影がありますね。」 と言われた。


「再検査の必要があります。」

「今度は、細胞検査になります。」

「内視鏡を見ながら、ほんの少し細胞をとるだけですから・・・」


実際、その女医の内視鏡を入れる技術は、かなりのものだった。


気持ち悪くなることもなく、一度目でスムーズに入っていった。

痛みや気持ち悪さもほとんど感じなかった。

みんなの読んで良かった!