石垣に移住

著者: MASA .Y

石垣島に住む事…。

なぜ石垣島に住む事になったのか…。若い頃はいつかは南の島で暮らしたい…。

ただ漠然と南国に憧れていた。




しかし、そんな憧れの夢は夢でいた方が幸せなのかもしれない。


私は石垣島にワクワクして来たのではなく、仕方なく…と言うか行く場所がなくなったので

来てしまった。


石垣に来る前は兵庫県西宮市に住んでいた。

最初は京都で働いていたので、通勤は片道1時間。JRで新快速に乗り40分で京都駅。

京都駅から自転車で20分で勤務地に到着する。


その後、大阪府堺市に職場を移し、やはり通勤は1時間。JRで大阪駅に行き、環状線で

新今宮まで。そこから南海電車に乗り換えて堺駅まで通勤していた。

そんな毎日で、通勤だけで疲弊する。その殆どが立ったままの通勤で、ひどい時はすし詰め

状態の通勤になる。


仕事は長時間労働だったので、ほぼ終電ダッシュの毎日だった。


西宮は女性と一緒に住んでいた。


毎日、午前様になっていたが、よく待っていてくれた。

ただ毎日こんな状態だと帰ってもすぐ寝て、朝は早く出勤して殆ど会話もない状態だった。


身体を求められても、そんな気分になれなかった。

週一回はそれでも続けていたが、ある日、突然別居を告げられた。


身体だけが理由ではなく、毎月、マンションの家賃、彼女のクレジットの費用など全部

私が払っていた。毎月、10万、20万…。約30万円請求される。

西宮のマンションに入る初期費用や、旅行、指輪、家電などで私の貯金は使い果たしていて

月給35万円の私の財布ではどうしようもなく、いつも支払いで口論になっていた。

口論になると、彼女はすぐ警察を呼ぶ。その度にパトカーに乗せられネットカフェで下ろされる。


ある日、婚括サイトで彼女を見つけてしまった。


すぐに問い詰めると知らないと言い切る。しかし、1時間後には開き直って

毎日セックスしてくれて、お金持ちと付き合いたいと言い出し、また警察を呼ぶ。


警察はストーカー規制法を熱心に私に言うが、こんな風に都合よく別れる為の法律なんだろうか…。

と警察に訴えても、聞く耳を持たない。

マンションも彼女は一人で住む所をすでに探していたみたいで契約は今月までで出て行ってと言う。

携帯も彼女のクレジットで一括契約していたので解約され、本当の意味で住所不定。文無しになって

しまった…。


心身ともに疲れ切ってしまった。


ふと…そうだ、南の島に行こう…。

こんな日本で生活したくないという考えが頭をよぎった。

堺の職場も彼女をよく連れて行ってたし、何より関西圏は思い出が多いので仕事も生活環境も

全てリセットしなければ立ち直れない気がした。


私の人生は何度リセットしないといけないんだろう…。


岡山に逃げて来た時、大阪に移り住んだ時、東大阪に引っ越した時、京都に引っ越した時、

西宮に引っ越した時…。

全てリセットしてきた。


でも、今回は本州を離れて、どこでも良いから南の果ての島に行きたかった…。


前置きは長くなったが、仕事が石垣島で見つかった。

最初は職場の寮に入れるという条件だったので、文無しでも何とかなると思って内心安心していた。

しかし、直前になって寮には入れない…しかし不動産屋は紹介するという変な話になった。


石垣島までは航空運賃も高い。荷物を送るのもありえないぐらい高い。

しかも賃貸を借りるとなると初期費用が相当かかる。

でも、もう引き返せない…。

サラ金で50万円借りた。

引越し、航空運賃、賃貸の初期費用で殆ど使ってしまった。


2016年7月1日から石垣島の職場に赴任だったので、6月28日の朝の飛行機を予約した。

6月28日の朝、飛行機の時間ギリギリまで堺の職場で片付けをして、そのまま空港へ

直行した。


飛行機に乗った瞬間、覚悟した。もう内地には戻って来る事はないだろう…と。

不思議と寂しいとか感じなかった。ただ気持ちは相当ダークだった。

未来への期待感も新しい生活の場への高揚感もなかった。

行き先は石垣島…。ただそれだけだった。



石垣空港に降り立つ…。6月も終わりの石垣は猛暑だった。


住む場所は、空港から車で30分離れた場所。2DKのアパートの3Fだった。

この日、午後から人と会う約束をしてた。

会った事もない人で、石垣でアパートがワンルームが見つけられなかったので

一部屋をシェアしようとネットで募集した人だった。


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