人生は時に不公平〜24〜
前話:
人生は時に不公平〜23〜
次話:
人生は時に不公平〜25〜
あんなに望んだはずの自由が最悪の形で訪れた
当時の心境は本当にどうなってしまうのか、わからなかった。
自分は一体誰の子供なのだろうか?自分には家族がもう居ないのか?
一家離散なんて現実に存在するのか?5年位しか住んでないけどマイホームが競売に掛かるなど夢にも思わなかった。
とにかく心の整理も出来ないまま、実家に荷物を取りに行った。
その時にあんなに恨んでいた母親と会話した
母親「今何してるの?何処に住んでるの?」
自分「水戸の警備会社で住み込みで働いてる」
とっさに、嘘をついてしまった。
多分、真実を話してしまったら壊れてしまうと思ったから。
不思議と憎んでいても心配してしまう自分も居た。
不倫され、家も失い、幼い子供2人連れてどうするんだろう?
しばらく間があいて母親から
「頑張りなよ」
再婚後、初めて激励された。
心境はわからない、最後くらいは良い印象を与えたかったのか、それとも心からそう思って、くれたのか。
きっと最低な親父の息子として憎かったと思う。
「元気でね」
一言だけ残して家を後にした。
これが、母親と妹と弟との最後の会話になった。
通い慣れた道を少しの荷物を持って重い足取りであとにした。
著者の根本 竜助さんに人生相談を申込む
著者の根本 竜助さんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます