人生は時に不公平〜26〜

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痺れを切らした母親が言い放った一言。

出て行けだった。

そして、自分は本当に帰る場所を失うのであった。

期間にして半年くらいの生活だったろうか?

短いながらも普通以上に恵まれた生活を送れた気がした。

バイト先の人達も年齢が近い事もあってみんな仲良く送別会を開いてくれた。

そんな中、今でも忘れない一言を言ってくれたのだ。

「私には夢なんかないから私の分も頑張ってね」

泣きながら、こんな自分に言ってくれた。

何だか頑張らないといけない気がした。

ただ、漠然と東京に行けば何とかなる気がした。

東京でバンドをやろう!茨城を出よう。

東京には何度か行った事はあるが、その度に不思議と何でも叶えてくれる街に思えたから。

母親の家に居れる時間は限られていた、すぐに数少ない身辺整理を急いだ。

1番気に掛けたのは大事な彼女だった。

時期にして高3の夏であった為、彼女も進路に迷っていた。

彼女は言った。

「私は歯科助手になりたい、だから茨城に残るけど、いつかお互い夢を叶えたらまた一緒になろう」

そうか、少なからず彼女も期待してくれているのか。

やるしかないって気持ちとやれる気しかしなかった。

そして、ギターと携帯と2万円位を持って東京に向かった。

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