top of page

17/5/9

独立系?ユニオン、組合との遭遇 その6

Image by Olia Gozha

ユニオンと組合員の内輪揉めという思いがけない展開に。こちらからすると思ってもいなかった好機。

心の中では、(もっと揉めろ〜)と思っていたが、そこは百戦錬磨のユニオン幹部。

どう言いくるめたかは分からないが体制を立て直して帰ってきた。

(きっと取り分を値切られたんだろう。ご苦労なこった。)

ここで逃すのも癪なので飄々と聞いてみた。

「取り分をそんなに取って良い商売ですよね?」

激怒するかと思っていたが意外にもぼそっと、

「ユニオンも色々と物入りだからな。

組合員を動員するにしても、ビラを印刷して撒くにしても。」

確かに良く見てみると二人ともパッとしない定年退職者が公園でぶらついている時に来ている様な服を着ている。

売れない作家が時計を見ながら、

「そんな事より今日は第一回の団交としてこちらからの要求の説明が主目的。

もう二時間近く経ったから今日はこの位にしよう。ところで回答はいつ頃貰えそうなの?」

さっきから一言も発せずに俯いていた谷啓がユックリと頭を上げる。

(あっ、こいつ寝てたな)

「まだこの場所は使えますから。事実関係をもう少しはっきりさせましょうよ。」と、人事部長。

困った様な表情で売れない作家が、「意見があるなら紙で頂戴よ。」と言葉を繋ぐ。

「いや、もう少し話しましょう。」再度、人事部長。

「こっちだって色々と忙しんだよ。」

「この後、何か予定が入っているのですか?」

「そう、野暮用。そう熱くなるなよ。」

(こちらは至って冷静だけれども・・・。)

「それと次回の団交の予定だけど二週間後の同じ時間でどうだい。」

「場所の確保も有るので回答と一緒に連絡します。」

「そうかい。頼むよ。

こっちはちょっと内輪の話も有るので、じゃあこれで。」

そう言ってユニオン側は退出した。

気になったのはかのマネージャーが終始勝ち誇ったかの様に此方を見ていた事。

あのすぐ感情的になる人間が「取り分」の話になった時以外は就職沈黙を守っていた事が、却って不気味だった。

しかし、人間の性格はそう簡単に変えられない事は次回の団交の席で直ぐに明らかになった。



PODCAST

​あなたも物語を
話してみませんか?

Image by Jukka Aalho

フリークアウトのミッション「人に人らしい仕事を」

情報革命の「仕事の収奪」という側面が、ここ最近、大きく取り上げられています。実際、テクノロジーによる「仕事」の自動化は、工場だけでなく、一般...

大嫌いで顔も見たくなかった父にどうしても今伝えたいこと。

今日は父の日です。この、STORYS.JPさんの場をお借りして、私から父にプレゼントをしたいと思います。その前に、少し私たち家族をご紹介させ...

受験に失敗した引きこもりが、ケンブリッジ大学合格に至った話 パート1

僕は、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ、政治社会科学部(Social and Political Sciences) 出身です。18歳で...

あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。

「どんな仕事を選んでもええ。ただ、○○がない仕事だけはしたらあかんで!」こんにちは!個人でWEBサイトをつくりながら世界を旅している、阪口と...

あのとき、伝えられなかったけど。

受託Web制作会社でWebディレクターとして毎日働いている僕ですが、ほんの一瞬、数年前に1~2年ほど、学校の先生をやっていたことがある。自分...

ピクシブでの開発 - 金髪の神エンジニア、kamipoさんに開発の全てを教わった話

爆速で成長していた、ベンチャー企業ピクシブ面接の時の話はこちら=>ピクシブに入るときの話そんな訳で、ピクシブでアルバイトとして働くこと...

bottom of page