⑦ 無一文で離婚した女が女流官能小説家になり、絵画モデルとなって500枚の絵を描いてもらうお話 「秋の展覧会、出品した絵は…」

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前編: ⑥ 無一文の女が女流官能小説家となり、絵画モデルとなって500枚の絵を描いてもらうお話 彼の正体は? プレーボーイ?
後編: ⑧ 無一文で離婚した女が女流官能小説家になり、絵画モデルとなって500枚の絵を描いてもらうお話 「上野の森美術館で見た絵」

            



 モナリザは男。彼はそう言った。

  彼は童貞? それとも女を愛せない同性愛者? 

 疑った私は、彼にこんな質問をしたことがあります。

 それはアトリエで製作中、モナリザの話が出たときです。

「モナリザは、世界の名画で世界一の美女と言われているでしょう。先生はモナリザの微笑、どうごらんになります?」

 画家さんの見解を聞きたい、と思ったんです。

「僕は好きではありません」

「えっどうしてですか? 世界の名画ですよ!」

 びっくり仰天しました。

「モナリザは男だからです」

 彼はそう答えたのです。

「僕の目にはそう見えます」

 彼の答えになおさら驚いた。

 確かに美術界では、モナリザは男ではないか、と言う説が根強くある。

 しかしおよそ本や雑誌をまったく読まない彼は、そんな説などまったく知らないのだ。

 彼は以前、美人の定義として、

「美人は骨です」

 と言ったことがある。

 そうか…と感心したものだが、彼の目はきっと鑑定士のように骨組みを見て感じ取っているのだ、きっと。

 そこで私は聞いて見たのだ。

「先生は男性より女性がお好きなんですか?」

 彼は顔をあからめて答えた。

「は、はい…僕は女性が好きです」

 と。

 女性が好きなんだな。

 とこのときは思ったものだが…。


 ※ ※


「僕は、自分の画家人生をかけて、あなたを描き続けたい」

「一生、まち子先生を描かせてください」

 岡村からはアトリエで、情熱的に懇願されていました。

 ある文壇のパーティーの帰り、帰途の地下鉄に乗り合わせた時です。

 何気なく、

「岡村先生が、一番幸せだなあ…と思う時はどんな時ですか?」

 と聞いたことがあります。

 岡村は、

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