8話 寒い
この時のサンジョーの服装は・・・
ワイシャツの上にセーター。下はジーパン。
5月の日本はセーターなんて暑いけれど、朝は少し冷える。
空港や飛行機の中は寒いかもしれないからセーターを着ていこう。
そう思ってセーターは着ていた。
その選択肢がなんて素晴らしかったんだと思う。
荷物は・・・
ショルダーバッグとノートパソコン・・・と、さっきもらったアメニティ。
ショルダーバッグの中には・・・ガイドブック、手帳、PSVITA、パスポート、ヨーロッパ用のプラグ、充電器、タオル。
ノートパソコンは手で持つのは邪魔だったけれど、飛行機や乗り継ぎの時間暇だろうからと持っていた。普段から日記のようなものをパソコンに書いているから、旅の過程をちょいちょい書いて行こうと。(まさか書いて公開することになるとは思っていなかった)
ビューーーーーーー!
寒い。体が寒い。心が寒い・・・
楽しいはずの旅行が・・・憧れの地が・・・
なんでこんなことに・・・
帰りたい・・・・とか言いたくない。
アイスランドに罪はない。
憧れの地なんだ。ずっと来たかったところなんだ・・・
ううう・・・・
好きな人の悪口を言いたくない心理というか(笑)
実際にアイスランドで何か悪いことが起こったわけでもなかったから、アイスランドを悪くは思いたくなかったです。でも、嫌な気持ちなのは本当で、言っていることがあまりわからなかったことが悲しくて、身体的にも精神的にも寒さを感じていた。
本当にホテルにはつくのだろうか?
この旅は何が起こるかわからない。ホテルにチェックインできなかったらどうしよう?
バス乗り場間違えていたらどうしよう?
バスを待ちながらそんなことを考えていた。
ドライバーが来たときに確認してみると、大丈夫だと言ってくれた。
何故かアイスランドに来て初めて味方ができたように感じた。
航空会社への悪態を頭でつきながら、本当に着くのか心配もする。
そんな時間を1時間ぐらい過ごしてホテルに着いた。
バスを降りるときにドライバーさんに「荷物は?(トランクを開けるよ?)」
と聞かれて、ないと即答する。
フフフ・・・俺にはそんなもんねーよ。
サンジョーはこのとき、いわゆる「遠い目」をしていたであろう。
ホテルに入ってチェックインの手続きをする。
現地のツアー会社から電話があったことを伝えられた。
電話代はかからないからこの番号に電話をかけるように、と言われた。
日本人女性だから日本語でいいと思うよ。と言われた。
ホテルの人はいい感じの人だった。
バスドライバーに続いて味方が増えたように感じた。
良かった・・・ホテルまで冷たかったらどうしようかと思ったよ・・・
少し安心した気持ちで部屋に入り、まずは電話をかける。
・・・・って英語じゃねーか!!!
日本語話せるスタッフいないってよ!!英語だけだってよ!!
とりあえずキャンセル料は返金なしということで話は終了する。
ま。仕方ないよね~もともとそういう契約だしね。
と思う。
ため息つきながらメールを見てみると、現地ツアーキャンセルのメールの返信が来ていた。
フライト欠航のために減額などを交渉してくれるらしい。
なんて優しい・・・
電話では返金なしでOKしたけれど、返ってくればとのメールを送る。
パソコンがあるってありがたい。
スマホで書くのは時間がかかるからね。
ノートパソコンとセーター、あとスマホとパソコン両方を充電できる充電器は普段は手荷物で持たないものだけれど、何故か持っていた。持っておいて本当に良かった。ありがとう。昔の俺!
ありがたいものもあるけれど、気分は暗いまま。
寒い。めっちゃくちゃ風吹いてる。
隙間風っぽいのが入ってきてる気がする!
?
エアコンねーよ!!
まじかよ!!
アイスランド人すげーな!
こんな薄い布団でどうやって寝るんだよ!
部屋には毛布もなく、薄い掛け布団があるのみ。
俺は着替えがないんだよ!
どーしてくれんだよ!
寒い。悲しい。。。あ~もうだめだ。
友達にメールして愚痴聞いてもらった。ありがとう。
でも、今日はもうだめだ。寝てしまおう・・・
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