9話 市内観光1
旅の予定は4泊6日。
1泊目は夜到着で4泊目は朝出発。
丸々1日使えるのは3日間。
当初の予定では最初の2日間を現地ツアーに参加して、最後の1日を市内観光と考えていた。いろいろ調べていると自然をたくさん体感できる現地ツアーが他にもあって、これは行きたい!と思ったから最後の1日の市内観光も現地ツアーに変更した。
だから市内観光できる日はなくなってしまっていた。市内観光できないことは残念に思っていたけれど、現地ツアーがキャンセルになったことで市内観光ができることになった。
とは言っても気分は乗ってこない。
行けなかった現地ツアーがメインだと考えていたために、ショックは大きかった。バッグもないし・・・
もう一歩も部屋を出たくない。寝てしまおう、そう思っていた。
しかし、ご飯は調達しなければならない。
夜になるともっと外に出たくなくなるだろう。
昼寝ると夜は寝られなくなる。
寒くて暗い夜にお腹すいてきても何も買えない。
そんな状況になったら余計惨めな気持ちになる。
それは避けよう。
というわけで外に出てみた。
よし!
次の日も同じ会社の現地バスツアーに申し込みをしていた。
ピックアップ場所は別のホテルなので、そのホテルの場所を知っておこうと思った。
一本道を歩いて15分。それほど遠くないし、難しい道ではないけれど、土地勘のない場所だから下見して、当日はすんなりピックアップ場所へ行きたいと思っていた。(初日はタクシーで行こうと思っていました)
というわけでホテル目指して歩き出した。
・・・つもりだったけれど、スーパーにたどり着いてしまった!!
アイスランドではたくさんあるボーナスというスーパーだ。
市内観光をしようと思っていたころ、このボーナスというスーパーには行ってみたいと思っていた。
ちょうどいい。ここで買い物しよう。
そんなわけで初のアイスランド買い物をした。
人は追い込まれると力を発揮する。
カナダの空港では買い物をするのが抵抗あったのに、今はそんなことは言っていられない。
確かに抵抗はあるけれど、何故かすっとレジに並ぶサンジョー。
なんだか変な感じだ。
店員さんはアジア系の人。なんかコインのいじり方がかっこよかった。
何かをサンジョーに伝えたそうだったけれど、よくわからない。
アイスランドではほとんどアジア系の顔をみない。
だから親近感があったのかもしれない。
カードの使い方が日本と違ってうまくいかなかったが、店員さんにサポートしてもらって、なんとか終了。
まだ気分が乗っていないサンジョーはひとまず安心して一度ホテルに戻る。
どんなルートをたどったのか。
自分が行きたかった方向はあっていたのか。
ガイドブックの地図を見て確認したかったけれどよくわからない。
ホテルのフロントに道案内を頼む。
やはりよくわからない。
ホテルのフロントでもらった地図を見ながら外を歩いていると、イケメンが道案内を買って出てくれた。
さすがアイスランド。優しい!
しかしながら、その人の説明もあんまりよくわからなかった(汗)
というか、その人も道をよくわからなかったようだ。
「僕ならバスに乗るよ~バス乗り場はあっちだよ」
と、教わった。バスは乗らないつもりだからバス乗り場の方向へは向かいつつ、気持ちだけもらっておくことにした。
でも、ホテルのフロントと、イケメンの話を総合することで道がわかってきた。
わかってくると楽しい。
おお!ここがこの道か!よし!わかったぞ!こっちだな!!?
まだ昼前だから、明日行くホテルの場所は後回しにしよう。
先に腹ごしらえだ。
当初の予定から、到着日に行こうと思っていた「世界一おいしいホットドック」を食べに行くことにした。
このお店はキャンピングカーのようなものでやっているのだが、深夜2時3時ぐらいまでやっているという素敵なお店なのだ。だから到着が夜でも食べに行ける!と予定を立てている段階から楽しみにしていた。
さらに、アイスランドは物価が高いと言われている。昼は2,000~3,000円。
夜は4,000~5,000円ぐらいらしい。
そんな中、ホットドッグは350円ぐらい。お手頃価格だ。
いわゆる「安くておいしい」というやつだ。
迷いながらもたどり着いた。
今回もまたうまくクレジットカードが使えないからサポートしてもらった。
うーん。何が違うんだろ?
ホットドッグを食べてみる・・・
おいしい!
ホットドッグの食べ比べなんてしたことがないからわからないけれど、多分自分が食べた中で一番おいしいホットドッグだと思う。ということは世界一か。
ラム肉が入っていて、さらにサクサクする食感の何かも入っている。料理しないし、味音痴な方だからわからないけれど(汗)寒さにぶるぶる震えながらコーラとホットドッグを食べた。
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