第8話『諦める、という決断』 ⭐︎夢を諦めている人へ!コードも読めないアラサーの私がプロのジャズシンガーになるまで⭐︎
第8話 〜諦める、という決断 ~
オーディションに受かっても、喜びはつかの間。
それだけでは入学を許可されたわけではありません。
ここからが意思を試される時!
と言っていいかもしれません。
奨学金は、オーディションに受かってから2年間は有効なので、それまでに入学手続きをすればいいことになっているのですが、私は
今行かなければ、2年後に行けるとは思えませんでした。
やはりこういうことは、思い立ったときに動き出すに限ります。
2002年の2月にオーディションから、半年後の秋から入学するのが、自分にとっては一番気持ちもノッてる時なのだし、いいに決まっている!と。
ところが....
それを決断するまでには結構大変でした................................
当時の私の様子を知っている方に、アンケートをとることができるならばよくわかると思いますが
かなり!うじうじと悩んでおりました。
ここから先は、公開するべきか悩みましたが、
きっと、
ある程度の年齢いってからの留学を語るにあたり、このことは避けては通れないことのような気がしたし
私の体験談からは、はずすことはできない事のように思いました。
また、留学前に同じような事態に直面する人も少ないのでは?と思うので.....
あえて、書いてみようという気になりました。
本気で勉強したい!という、気持ちの反面、私をうじうじとさせたのは、
2年間、私が日本にいない間、
私のいない場所にも同じように時は流れるんだ、という物理的な問題でありました。
もっと簡単に言うと、
2年という月日は、私という人間が、もともといない人間のようになってしまうのに十分な月日だという問題でした。
もっと、もっと簡単に言うと
当時お付き合いしていた彼に、どうやって留学を理解してもらうか!ということでした。
(はじめからそういえば....?!^^;)
実は、アメリカ留学の事は、なかなか切り出す事ができずにいました。
ある人が、
「”去っていく人間”と、”残される人間”の間に流れる時間は違う」
といいました。
そのとおりだと思います。
自分が何度も、葛藤を繰り返してきた言葉です。
片や夢いっぱい、やることいっぱい。
そして、片や、今までいた人がそこにいない”風穴”をどうやって埋めようか、という日々。
しかも2年間。
同じであるはずがありません。
それがわかっているのに、今行かなければ後悔する!という思いは断つことができませんでした。
同時に、それを選んだ時点で、私は一つ大事なものを手放す覚悟もしなければいけませんでした。
うじうじしながらも、彼に留学の意思を伝えようと思った背景には
「後悔したままの自分で、この先ずっと何年も彼の前でいい女でいられるのか?」という事がありました。
- 1
- 2
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?

著者のMiyoshi Kaoriさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます