30代半ばのオッサンが起業した話 破綻編2

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Xデー

2017年4月25日(火)

この日が何の日かを覚えているだろうか?

北朝鮮との緊張が高まり、ミサイルを発射され、そのまま戦争に突入する日、Xデーと言われていた事を。

奇しくも弊社(woodsmall)にとってXデーとなるとは。。。


メインバンクへ

朝一でメインバンクに出向く。

営業担当宛てに行ったが出てきたのは昨日電話で話した支店長だった。

メインバンクで担当の営業以外の人と会うのは初めてだ。


早速、差押書(厳密には差押調書謄本)を見せてもらう。

送り主は年金事務所。未納分の社会保険料が一覧で記載されてある。

原因は7ヶ月程度の社会保険料の滞納があったから。

ここで銀行側から別の書類を出されて捺印を促される。

書類の内容は、貴社への貸した金の月々の返済額等は、一旦白紙とする。尚、差し押さえが解除されてから改めて、保証協会と協議の上、返済額等を決めることとする。

そんな感じ。要は、銀行側からすればいつでも貸しはがしが出来ますよ、という内容。


銀行側には「何としても年金事務所からの一括返済だけは避けてください。ここまで強行にくるということは、一括返済を要求してくることも十分考えられます。」と言われた。

進展があったら、随時連絡を取り合う事で銀行を後にする。


年金事務所へ

その足で年金事務所へ。

早速担当者と話をする。

いつもの担当者と。


年金事務所側からすれば、社会保険料の滞納は、どうしても許せない。とのこと。そりゃそうだ。

でも、こっちとしても払いたくても払えない。払う為の原資が無いのだ。重い空気が流れる。

結局2時間睨めっこが続き、1ヶ月分を払う事で、差押えを解除する、という事で落ち着く。

今日中にメインバンクへの差押え要求を引き下げる手続きはしてくれるとの事。

後日、滞納分の返済計画を提出する事で今日は終わった。


正直、1ヶ月分を何の支払いを遅らせて支払うか頭の中でグルグルする。


自社へ

腹が減った。昼飯の時間だ。

メインバンクに電話をする。年金事務所とのやり取りを一通り説明する。

「それで納得してくれたんですか?」と、支店長が納得がいかない様子。

とにかく、これで一歩前に進んだのだ。電話を切る。


さて、何から手を付けよう。

社員には一通り、今の状況を説明する。給与の振込は今日中は無理だが明日以降になる事を伝える。

もうここまでくると、物事の優先順位が付かなくなるのだ。何を優先すれば良いのか分からなくなる。

そして、何が大事なのかも。


ぼんやりと東京商工会議所の担当者と今後の事を話あった事を思い出す。

「社長、いつ、いくら足りなくなるんですか?」

ぼんやりとは分かってるんだけど、即答出来なかった。

「社長、日繰り表を作る事を勧めます、是非作ってみてください。」

※日繰り表は資金繰り表を更に細かくしたもの。入金と出金を一覧にする事で、資金がショートするタイミングが分かる

とりあえず、4月分を作ってみた。

だいたい予想通り。

5月分も作ってみる。給与日の25日、色々な支払いが重なる月末、クレジットの支払いの10日。

この日が赤くなる(資金のショート)。

トータルで100万円前後足りない


徹底的なリストラ

大学時代は経営学を専攻していた。

専攻といっても、他に興味が無かったからだが。消去法。

その時に印象的だったのが、教授の言葉。

日本でリストラと言うと人員削減が一般的だが、経営学でリストラとは事業再構築の事を言う。固定費の削減や事業の見直しが本来のリストラ(事業再構築)だ。」


机上の空論なんて糞食らえだ!

ずっとそう思っていたが、理にかなってる


リストラする判断基準として『1円でも生み出さないものは切る!』とした。

日繰り表の上から、その基準から切っていく。

該当したのが以下。

・ポルシェ

・広告費

・生命保険

・社員の給与

・社長の役員報酬の減額

※社員に関しては、ちゃんと売上を上げていたが、給与に見合っていなかったということ

(当時は、頼るあてもなく、唯一相談にのってもらったのが実兄。会社経営をしている。その兄から「金を貸す代わりに無駄なものは全て切れ!」と言われたから、というのもある)


実を言うと、この頃は廃業(倒産)をかなり意識していたので、終わらせるなら、なるべく最小限にしようという気持ちが強かった。


こう決断してから行動は早かった。

考えると迷いが出る。だから一切の思考回路を停止して、ひたすら身体を動かした。


まず、日繰り表を印刷して社員とバイトに見せた。

今のウチの会社がどんな状況なのかを説明し、今月中に辞めて欲しい旨を伝えた

事務所の契約を解除する為、違約金の掛からない最短の7月末で退去する旨を不動産屋に伝える

個人を含め、全ての生命保険を解約する為、保険の担当者に電話

契約している広告を辞める為、片っ端から電話


ショートするタイミングは、これでも変わらない。

でも、ショートする金額は確実に減った。


差押え解除

メインバンクの銀行口座が差押られて3日後の4/27。

年金事務所から差押解除通知が届く。普通郵便で。

早速メインバンクの支店長に電話するも銀行には、まだ届いて無いとのこと。

正直、速達で送って欲しかった。


結局、翌日メインバンクにも解除通知が届き、差押解除の手続きが行わなれた。

解除された直後に、社員や各所への振込を行う。


本当に長い4日間だった。

妻にも、やっと生活費を振り込める。

振り込んだ直後に、妻へLINEをする。

『先程、振り込んだ。本当に迷惑かけました。』


この4日間、本当に神経をすり減らして、駆け回ってきた。

きっと労(ねぎら)いの返信があるだろう。そう期待していた訳だが。

妻からの返信は思いがけないものだった。

「離婚を考えています。裁判所で調停して離婚したいので今直ぐ、この家を出ていって下さい。」


やっと、平穏に戻れる。

そう思った矢先、崖から突き落とされるのである。

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30代半ばのオッサンが起業した話 復活編

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