口下手童貞少年、ナンバーワンホストになる ⑥ ラストチャンス編

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新規で安いからとりあえず来るのだ。


それからの電話が鳴るまでは落ち着かなかった。


K野専務「K君、キャッシャーまで。」


私はいつも通り座っていた丸椅子を立ち、

K野専務に下にお客さんが来ているのでちょっと行ってきますと伝えた。


K野専務「ほんとか!?やるじゃねぇか。」


下に降りるとYと友達が待っていた。



Y「遅いよ。こっちE子っていうから。」

E子「初めまして~、よろしく。

ふ〜ん…君がK君なんだ~…。」

私「よっ、よろしく。」

Y「早く案内してよ。」

私「おっ・・うん、わかった。ごめんごめん。」


初めて会うYの友達のE子は、薄い顔立ちだったが美人であった。


年齢が上のせいもあってか、二人が並んでいると話しかけずらい雰囲気をまとっていた。


エレベーターを呼び、Bのある2階を押す。

Bはビルの2階にあり、階段でもエレベーターでも両方入店できる作りになっていた。


私「いらっしゃいませ。」


何かみんなの視線が恥ずかしくて「いらっしゃいませ」がいつもより逆に小さい声になっていた。


みんなが驚いた様な顔で私を見る。


そしてYとE子を席へと案内し、いつもの様に、自分でアイスと水を自分で運ぼうとした時だった。


N「K、座ってろ。」


なんということでしょう!!(ビフォーアフター調で)

Nさん(匠)はすばやくアイスと水を取りに行き私の席まで運んできてくれた。

Mさん、JUさん、KJさん、JOなどの下の人間がいるのに・・・・。


そしてそのまま丸椅子に座り席に着いてくれた。


見た目はYもE子もキツそうに見えるのと、Bに来ているお客さんの年齢層よりも確実に上に見えたので、周りが多少敬遠し気味な所を、Nさんが躊躇いなく一番に着いてくれた。


小泉元首相ではないが


「感動した!」


状態だった。

その日の営業が終了するまでの間にNさんに誘われたら私は抱かれていたであろう。


その後も、みんなが優先的に席に着いてくれた。

Mさん、JUさん、KJさん、JO、Aさん、Rさん。

その日の私は、常に小泉元首相状態だった。


みんなが席に着いて飲んでくれた事もあり、YとE子はそれなりに楽しんで帰ってもらったと思う。


もちろん、その日は酔った。ヘベレケだった。

会計がいくらだったのか記憶もない

そして、YとE子を送り出した後の記憶もない。


自分で掴み取った、人生初めての指名だった。

人生で人から指名を受けたのは、ホストという仕事に関わらず初めてであった。



その日の営業終了後は、ボックスでくの字になって、気持ちよく昼過ぎまで寝ていた。

みんなもその日は寝かせておいてくれたのかもしれない・・・


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